とても清潔な飼育環境で生産された無殺菌生乳「想いやり牛乳」は日本で唯一認められている加熱していない牛乳です。
一般に販売されている牛乳は殺菌のため熱処理を行っていますので、牛乳の60~80%の蛋白が変性してしまいます。無殺菌ということは、熱処理を行っていませんので、蛋白変性はしていません。
■乳糖不耐症を克服できる想いやり牛乳
「牛乳を飲むと、お腹がゴロゴロ」状態になることを医学的には「乳糖不耐症」と言って、乳糖分解酵素(ラクターゼ)の活性が低下している為に、小腸で分解吸収されなかった乳糖が、大腸で発酵しガスが発生します。
これが大腸を刺激して「ゴロゴロ」させるのです。
また、乳糖が大腸での水分の吸収を妨げ、下痢が起こります。
しかし、この牛乳は胃の中で自然な形の蛋白が乳糖を取り囲んで「コロイド」をたくさん作ります。その為、ラクターゼが無理なく働き、乳糖をゆっくり消化し、大腸に流れる乳糖が少なくなります。
その結果「ゴロゴロ」や「下痢」がなくなるのです。
更に継続的にこの牛乳を飲むことで、ラクターゼの活性は高まり、乳糖を分解する腸内細菌も増えていきますので、「乳糖不耐症」を克服できるという仕組みになるようです。
この流れが他の加熱殺菌牛乳と想いやり牛乳の決定的な違いになります。
想いやり牛乳は全国で唯一の非加熱・無殺菌牛乳ですが、販売許可を得るまでに、長い時間と膨大な手間が掛かったそうです。
■無殺菌牛乳誕生までの苦労話
中札内村レディースファームの長谷川社長談
当初は低温殺菌牛乳の生産を計画し、プラントメーカーに相談したところ、原乳の品質が殺菌工程を経た牛乳よりも優れているので、そのまま製品にした方がよいのではとのアドバイスを得ました。
そこで帯広の保健所に相談したところ、『そんな牛乳はありえない』との返答で、その後の3年間に千枚以上の提出書類と、毎日の検査結果による実績を積み重ねることで、ようやく食品衛生法や乳等省令などの基準をクリアーしました。
『特別牛乳搾取処理業』の許可を取得したのが2002年4月(全国で6番目、他の5社は全て低温殺菌処理乳)、それも当初は工場周辺の出荷しか保健所から認めてもらえず、全国販売は2003年になって初めて認められました。
私は産直品のガイドでこれまで色々な生産者をご紹介してきましたが、そのほとんどは肉や魚の類でした。今回ご紹介した『想いやり牛乳』はその点では異色ですが、取り寄せて飲むだけの価値が十分にあります。
女性だけで牧場の運営をしているので、とても決め細やかな対応をしてくれます。
もちろん、牛の生理を理解して大切に飼育し、牛の立場で搾乳する。さらに信じられないような清潔な環境を牛の為に提供している。どれをとっても中札内村のレディースファームはぴか一です。
ガラス製の瓶を着払いで送り返すと、瓶代も引いてくれる上に、年間購入契約すれば、更に10%オフで購入できます。
ちょっと高いけれど、薬食いと思っていただけば、安いもんです。
■ 取り寄せ情報 ■
(有)中札内村 レディースファーム
〒089-1353 北海道河西郡中札内村西戸蔦
TEL(0155)68-3137