東京の桜は散り始めましたが、やはり桜カニと呼ばれるクリガニを頂くには日本酒がつき物です。青森の肴ですから、お酒はもちろん青森産です。今回は全国でも数少ないJASの有機認定も持っている八戸酒造さんの壺八仙です。たくましい有機酒米と八戸大地の清冽な水を用いて、南部杜氏・伊藤政美が仕込んだぴか一の純米吟醸です。
カニの食べ方は皆さん個人差がありますが、私は断然、『足から地道に食べる主義』です。面倒臭がって、足をないがしろにする人もいますが、そのような方は活けのカニを食べる資格はないと思います。自然の恵みに感謝して、隅々まで召し上がるのが自然の掟だと私は思います。
足は毛蟹同様に柔らかな殻ですから、歯でも十分に切れます。もちろん、はさみで切れば簡単です。カニの足を食べるコツですが、カニの足をストローと思えば簡単です。要は両端を切って、中の身がとおりやすくしてあげれば、どちらか太い側から『ちゅっ』と吸えば、中の身は自然に『すぽっ』と抜けて、貴方の口の中に身が飛び込んできます。あまり強く吸い過ぎると、喉の奥までカニの足が飛び込んでしまいますから要注意です。
足を食べ終ったら次は甲羅を開けます。中にはたっぷりと味噌が入っているはずです。運良くメスであれば内子も味わうことが出来ます。この甲羅の中身ですが、とっても濃厚ですが、渋みは少なくカニの身を絡めても美味しいです。活けのカニは身離れがとっても良いので、胴体部分の身も簡単に取れるはずです。塊の純白な身に濃厚な味噌をまとえば、最高のつまみです。
クリガニを食べる時は間違いなく寡黙になります。座は『ちゅーちゅ ずー』と『グビっ』という音だけがこだまし続けます。最後は熱めにつけたお燗で甲羅の中をきれいに洗って飲み干し、陸奥湾の恵みに多謝です。旬の食材は取寄せが一番です。
■ お取り寄せData ■
田中水産
ファックス番号 017-757-2910
クリガニは漁獲高が限られているので待つ場合があります。
また、漁期は5月中旬まです。
クリガニに合うお酒はこちらです。
八戸酒造