皆さんは目をつむって物を食べた事がありますか?
鼻をつまんで食べた事はありますか?
アイマスクをして試食する実験では、殆どの人がかぼちゃとさつま芋、大根ときゅうり、栗と人参の判別が出来なかったという結果がでています。これは現代人の舌の感覚が鈍っているからだそうです。では、鼻をつまんだ場合、つまり臭覚が利かない状態で食べたらどうでしょう。味を判別する事ができるのでしょうか...
好都合?な事に、最近全く鼻が効かなくなったという友人がおりまして、じっくり観察させていただきました。
まず、食べ物の善し悪し(腐ってるかどうか)が全く判別できません。見た目は大丈夫そうな夕べの豆ご飯を一口食べてみて口の中のネバっとした食感で、初めて『ああ悪くなってたんだ』と確信するのだそうです。
<ぅっわ恐いですねぇ、口に入れたくないですねぇ。>
ぼちぼち煮える頃かな?そろそろ焼けるかな?もわからず、当然、煮豆が焦げついていても少しも慌てません。消費期限ぎりぎりの豆腐やハムの臭気も嗅ぎ分けられません。そうして家族は、毎日戦々恐々と食卓を囲む事に相成ります。
唯一良かったのが玉ねぎのみじん切りが平気になった点、ということです。
古来より日本食には臭いを取る!或は消す!という潔い使命を担った発酵性の調味料が存在します。片や西洋では、臭いを香でごまかすという香辛料が発達してきました。なんか胡散臭いですよねぇやり方が。
前者がサムライだとすると後者はマジシャン、騙しのテクニックとでも申しましょうか......食材が違うと言ってしまえばそれまでです。どちらも、食品の持つ独特のいやな臭いを美味しい匂いに変える為に考えられた技である事には違いないのですが。
≪イヤな臭いは元から絶たなきゃ駄目!の消臭剤とお部屋の香水○○○と、貴方はどちらを支持しますか?≫
初めて日本にやって来た人が空港に降り立つと、醤油の匂いがするそうです。ということは、中国はニンニクの匂い、韓国はキムチの匂い、インドはカレーの匂いでしょうか。ではイタリアはトマト?スイスはチーズ?.......
<想像が貧弱ですみません。>
このように、日本や中国には醤油という香も旨味も備えた複雑な味の素晴らしい調味料がありますが、西洋にはそれに匹敵するような調味料はありません。ですから、調理しながら味を作り上げる作業をするのですが、その際、香味(香辛料)はとても重要な役目をはたします。<なるほど!>
≪私達は生姜を生でも食しますが西洋では生で食べるというよりも粉にして(ジンジャー)使われるのが一般的なようです≫