4月の箱根の“桃源郷”ストーリー
ガイドが泊まったスイート。落ち着きと洒落た感じが共存する空間 |
ダブルベイシンで使い勝手の良いホーローの洗面台の横には4種類のバスソルトが置かれている。「せっかく温泉もあるんだから……」と思いつつ、「このバスソルトも良いね」とはワイフの弁。お部屋まで案内いただいた仲野禎一オペレーションズマネージャーはホテル歴25年以上のベテランホテリエ。酸いも甘いも……というホスピタリティの真髄を識るマエストロでもある。尚且つイケメンなのが何とも素晴らしい。
アペリティフは、最高のホテル体験に乾杯するアペリティフでもあった |
ラウンジの周囲にあるドローイングルームやバーも開放されている。家族連れやカップル、女性グループなどゲストの構成そのものはミックスされているのに何故かバラバラ感がない。半分以上のゲストは浴衣に丹前と完全に旅館の気分。6時くらいからフレンチダイニングか和食の鮨処に消えていく。
鮨職人の妙技と会話を堪能
雰囲気あるカウンターの向こうで職人の技が繰り広げられる |
箱根の名物、湯葉にウニのトッピングといったものからサザエのつぼ焼き、島アジやさわら、烏賊、鮪の刺身盛りといった具合。
ガイドには変な慣習があって、鮨の場合は、まずこはだを二貫最初に口にする。これが食事の合図のようなもので、この後は酒とのコンビネーションを考えながら胃袋の満足するまで食事を堪能するということ。
駿河湾や相模湾の新鮮な魚介を、選りすぐりの日本酒や焼酎と一緒に楽しめる |
加えて、この夜が2009年のプロ野球の開幕というタイミング。料理長は関西出身ということで当然ながら阪神ファン、ガイドは生粋の巨人ファン。8時近く前になると試合の経過も気に掛かる。こちらの気配を感じたか、料理長が突然姿を消した。数分後に現れて、「阪神は勝っていますが、巨人は……」。
そうこうするうちに、カウンター席の一番左端に外国人客の姿が。一人である。器用に箸を使いながら小鉢の料理に舌鼓。「どちらから……」とガイドが。そこから小1時間ほどワイフを交えての“国際会議”に発展。ガイドはヘビースモーカーなので、途中席を空けている間もワイフと調理長の掛け合いは続く。ワイフ曰く「こんなに楽しい料理人の方は初めて。何より手が動いて、なお且つ話が上手い。こんな素敵なディナーは滅多にないこと」と激賞。
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