住めばタイヘン!のNY生活
外国といえども、NY周辺には10万人以上の日本人が住んでいます。会社のつき合いがなくても、『日本人PTA』や『日本人会』『日本人バザー』など、コミュニティーの集まりが多くあることに、Oさんは驚かされました。異国だから、こんなに日本人の結束力が求められるのでしょうか? |
バザーの半年前には、地域に住む日本人に集合が掛かり、クラフトの作り方から教わります。その後、何度も打ち合わせを重ね会合が開かれるのです。手作り品といっても店で売れるような一品揃い。
そして、バザー前日には、巻き寿司や焼き鳥の準備。そして、当日は、バザーの店番で足が棒に……。
「私も1年間、この日本人会の役員をしました。といっても、まだまだ新米。バザーに関しては在米40年の方の意見を伺いに行ったり、クラフトの材料はどこの会社にお任せするか、飾りつけはどのご主人にお願いするか、など、細かい決まりごとに従っただけ。
ただ、私は、こういうコミュニティーがあまり得意ではありません。日本人社会に住む方々と行動をともにすることは少なく、ちょっとかわった存在としてみられていたようです。みんなでランチ!にも誘われなかったですしね。」(笑)
みんないっしょにねっ!は、禁物
「振り返ってみれば、日本人社会にどっぷりつからなかった分、現地のお友達にも恵まれ、日本人社会のもめごとにも巻き込まれず、楽しく過ごせた」とOさんは、言います。「週末、補修校では、多くの日本人が、日本語や日本と同レベルの勉強を教わります。ですから、帰国後日本で受験する子どもと、現地で永住する子どもの親との間には、当然、学習レベルに対する要求度が違ってくるのです。それで人間関係に摩擦が生じてしまった例もあります。」
アメリカ生活を振り返ってみると、異国で慣れないことを受け入れる大変さより、同じ人たちが集う中で生まれる摩擦の方がよっぽど、ストレスを感じさせる原因のようです。
渡米後、5年がたち、NYで2人の子どもを育てたOさん。子どもは、日本で育てたいとの思いが日々強まり、長男の小学校入学前に帰国を決意することに。しかし、日本からとどく情報には、帰国者へのいじめの話が……。「日本で育てたい一方、帰国は恐怖以外の何ものでもありませんでした。」
(次回につづく)
NYに住んではみたものの……【後編】