引越し/引越し関連情報

意外と知らないルール!標準引越運送約款

「荷物の損失についてはいつまでに言えばいいの?」「キャンセルすると料金が発生するの?」これらの疑問を約款に則って解説してみます。

執筆者:All About 編集部

引越には思わぬトラブルが待ち構えています。あとから冷静になって考えてみると「あの時こう言えばよかった」と悔やむことも多いもの。でも慣れない利用者は一体何を拠り所にすれば良いのでしょう。その拠り所となるのが約款(やっかん)なのです。

約款(やっかん)って何?

引越し、約款
約款(やっかん)=読みたくない!と拒絶していませんか?
約款という言葉は今まで何度か耳にされたことがあると思います。旅行業約款、生命保険約款…、など。約款とは特定の契約内容を詳しく説明したもので、取引の基本的なルールが記載されています。一般的に引越しで採用されるのが「標準引越運送約款」です。約款は見積り時に提示する義務がありますので、利用者は面倒くさがらず目を通しておくべきと言えます。
※引越しでは、この他にも「標準貨物自動車運送約款」または、独自の約款を採用する引越し業者もあります。

では、一体どんな内容が記載されているのでしょうか?ここではいくつかの事例を交え、一般的に使われる標準引越運送約款に則って説明してみます。

見積り無料ってお得なことなの?

引越しのチラシや宣伝で「見積り無料!」の文言を目にすることがあります。訪問見積りに来てもらうには、それなりのコストもかかるだろうし、「無料?親切な業者!」と考えてしまいがち。

でも、約款にきちんと「見積料は請求しません」と記載されています。ようするに当たり前のことなのです。このように大々的に宣伝していなくても、どの引越し業者も見積料は取らないことになっているのです。

また、「前金、手付金は一切いただいておりません!」と強調する引越し業者もいますが、これも上記同様。約款において「見積りの際に内金、手付金など(下見に要した費用を除く)を請求しません。」と記載されているため、払う必要がありません。

荷物の引き受けを拒否されることがある!?

引越し、拒絶品
引越し業者に頼めば何でも運んでくれると思っていてはNGです!

引越し業者に「これとこれを運んでください!」といえば全て運んでくれるものと思っていませんか。ところが業者が引き受けを拒絶することができる荷物はこれだけあるのです。

【引受けを拒絶できるもの】
貴重品…現金、有価証券、宝石貴金属、預金通帳、キャッシュカードなど
他の荷物に損害を及ぼす危険のあるもの…火薬類や不潔な物品など
特殊な管理が必要なもの…動植物、ピアノ、美術品、骨董品など

「えっ、植物も?」と驚かれるかもしれませんが、これはあくまでも約款上での決め事。もし引越し業者が「いいですよ!」と引き受けてくれればこの限りではありません。さらに一度引き受けてもらった荷物の損害については、業者がその責任を負うことになります。

見積り料金より高くなることがあるの?

見積り料金は確定した金額です。業者の都合で一方的に変更することはできないことになっています。見積り後に利用者がサービス内容の変更を求めた場合は、当然ながらその内容に応じて料金は変わります。

それほど見積書とは大切なものなのです。例えば記載された事項に変更があれば、減額修正もあり得るかもしれません。当日作業員の人数が少なかったり、4tトラック1台のはずが2tトラック1台しか来なかったり、作業開始時間は朝10時だったのに夕方過ぎに現れたなど。引越し当日には、見積書を手元において成約時の内容を思い返してみたいものです。

暴風雨なのに延期ができないの?

引越し、台風
台風の時は延期を申し出た方が無難かも。ぜひ話し合ってみましょう!
暴風雨の場合、当日延期してもキャンセル料は発生しないことになっています。キャンセル料は、原則として、引越しの前日・当日に解約又は延期の指図が行われ、「解約の原因が荷送人の責任によるもの」に限り発生するものだからです。重要なポイントですので、キャンセルについては事前に業者とじっくり話し合っておく必要があるでしょう。
※ちなみに荷送人の責任によるキャンセルの場合、前日は運賃の10パーセント、当日は運賃の20パーセントのキャンセル料が発生します。

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