一人暮らしの部屋に突然の訪問者。セールスへの対応をお届けします。 |
家族と一緒に住んでいたときは、自分が訪問者に対応する機会は少なかったかもしれません。でも、一人暮らしの部屋では、当然それは自分でしなければならないこと。家族や友達、恋人など知っている人が訪ねてくるだけでなく、見ず知らずの人間がドアの外に立っていることだってあります。そして、それが悪質な訪問販売の勧誘であることも…。
私自身の経験も含め、訪問販売への対処法、また万が一契約をしてしまったときにどうしたらいいのかをご紹介します。
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■ 実録! 訪問販売にドアを開けてしまったら…
■ もっともらしさに騙されるな! 点検(かたり)商法
■ 強引さに負けるな! 新聞購読の契約
■ 訪問販売対策と、その断り方
■ 契約してしまったら、クーリングオフを使う
訪問販売にドアを開けてしまったら…
ガス・電気・水道・電話…。「点検です」と言われても部屋に上げてはいけません。 |
● 「水道局の方から来た者ですが…」
まだ一人暮らしを始めて間もない頃のこと。怪しい人にはドアを開けない。そんなことはわかっていました。ただ、たまたま知人が来ることになっていて、ドアがノックされたとき(その頃住んでいた部屋にはチャイムがありませんでした)、「はーい」と返事をしてしまったのです。
「すみません、水道局の方から来た者なんですが、水質の調査でこの周辺を回らせていただいています」という男性の声。私がおそるおそるドアを開けると、「調査をしたいので、これに水を汲んでいただけますか?」とコップを差し出します。胸には社員証のようなものを下げていました。水を汲んでいると、「おねーさんは、ここに一人で住んでいるんですか?」と男性。最初はやや疑いつつも、本当に水道局の人かと思っていたのですが、この馴れ馴れしい態度に「これは水道局の人じゃない」。
「カルキってご存知ですか?」と、ポケットから小瓶を出しコップにたらすと、水が黄色く染ました。「この色が濃いと、カルキ分が多いんですよ。この地域のお宅を回って、カルキを減らす装置をつけているんです。無料で、10分くらいでつけられますよ。おねーさんも、お水が美味しい方がいいでしょう。今、お時間ありませんか?」
このとき、私はまだこういう訪問販売があることを知りませんでした。しかし、「無料」という言葉ほど恐いものはないということは知っていました。「すいません。今から人が来るので帰っていただけますか?」と、私はその男性を玄関先から追い払いました。
怪しいと思ったら、まずは確認を。そのような点検が本当にあるのか、管理会社などに問い合わせてみましょう。 |
一人暮らしを始めて二軒目の部屋に引っ越した直後のこと。そのマンションはまだ新しく、オートロックもついている部屋。訪問販売などは、マンションの入り口からは入れません。でも、その日は自分の部屋の入り口のチャイムが鳴ったため、マンション内に住んでいる人が来たのだろうかと、あまり疑わずにインターフォンに出ました。
「管理会社に頼まれて、ガスの点検をしている者なのですが」と、その男性は言いました。新しい建物だし、引っ越したばかりだし、そういうこともあるのかもしれない。私はドアを開けました。男性は「ガスの説明書って読みましたか? 定期的に清掃しなくちゃいけないんですよ。やり方はご存知ですか?」と、ガスの設備の清掃方法を私に教えます。
実は、このときまでそれほど怪しいとは思っていませんでした。「今日はこれで大丈夫ですよ」と玄関先まで戻ると、男性は手にパンフレットを持ち、「自分で清掃するのは面倒ですよね。これを一年間定期的にやるサービスがあるんですよ…」と言い出しました。しかも、値段は一年間で40万円、今契約すると25万円だとか。やられた…と思いました。
私は「必要ありません。結構です」と突っぱねました。男性はしばらく「みなさん、入っているんですよー」などと言い続けていましたが、最後にはしぶしぶ帰っていきました。
次のページでは、注意したい訪問販売とその手口を紹介します。私のようにドアを開けちゃダメですよ。>>次のページへ