「芸」というコミュニケーション

みなさんは、「芸」と聞いてどんなことを思い浮かべるでしょうか?
サーカスなどで命令に従わされる動物でしょうか?
歌を歌う小鳥でしょうか?

「芸」という言葉に悪いイメージを持たれている方もいるでしょう。動物を紐などでつないで無理に動かせることや、鞭や棒などで威嚇して動かせることを思い浮かべる人もいると思います。でも、私がここで言う「芸」はコミュニケーションの1つの方法です。ペットに無理矢理させることではありません。右手を出したら右手に乗り、左手を出したら左手に乗る。そんな程度の鳥に負担にならない動きを、飼い主の意思に沿ってしてもらうことです。

「芸」を教えることで、飼い主は鳥にして欲しいことをどう伝えればいいのかを学び、鳥は飼い主が言いたいことをどう読み取るかを学ぶことができます。お互いに、より相手のことを知ることができますので、芸ができるようになるかどうかは気にせずに、挑戦してみてください。芸をマスターできなかったとしても、教える前よりはお互いに、少しだけでも相手のことがわかるようになると思います。

芸の教え方はいくつもあるのですが、簡単と思われる飼い主の手を移動する芸の教え方を以下に紹介します。

まず、テーブルの上などに手を乗せて、鳥を乗せてください。

次に、もう片方の手でテーブルを叩くなどして鳥の興味を惹きながら、 鳥が乗っている方の手を傾けて不安定にしてください。

不安定な手から鳥が降りたら、もう片方の手に誘導します。もう片方の手におやつなどを持って誘導するのもいいと思います。

もう片方の手のところに来たら、さらに誘導して手に乗ってもらい、ご褒美をあげます。ご褒美におやつや食べ物を与える場合、与える前に声で褒めるのを忘れないでください。

これを両方の手で繰り返していると、不安定にしなくとも鳥が手を移動するようになるでしょう。テーブルを叩くときに決まった掛け声をかけていれば、その掛け声で移動するように教えることもできると思います。

鳥によっては覚えるまでに時間が必要な場合がありますが、その時間こそが飼い主と鳥とが相手を理解するのに必要な時間ですので、たっぷり時間はかけて教えてください。芸を教えるのではありますが、芸ができるようになることよりも、飼い主が望むことを読み取る力をつけさせてあげることの方が大事ですので、時間はかけた方がいいんです。

「芸」であっても飼い主の希望に沿った動きをするということは、それだけで飼い主を上位に認めているということになります。簡単な芸は鳥の問題行動の予防にもなると思いますので、鳥との遊びの1つとして、コミュニケーションの1つとして、芸を教えてみてはどうかと思います。

なお、芸を教えるときのコツは、飼い主も鳥も楽しみながらやることです。「今日中に教えなければいけない」などと自分たちを追い詰めたりせずに、鳥といっしょに楽しむつもりでゆる~く教えてみてください。きっと、楽しいコミュニケーションがとれると思います。



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。