シマリスの飼育書「ザ・リス」です。 |
真似たい工夫がいっぱい紹介されています!
「ザ・リス」を読んだ私の1番最初の感想は、「真似たい工夫がたくさん紹介されていていいなぁ」というものでした。飼育書には、活字が多いものやイラストで説明している本も多いのですが、「ザ・リス」はいろいろな飼い主さんの飼育環境を写真で紹介しています。そして、それらにはリスという動物のことを考えてされている工夫が多数写っているのです。春になればペットショップでシマリスを多く見るようになりましたし、街中でシマリスを連れている人を見ることもあり、シマリスのことを「飼いやすいペット」だと思っている方も少なくないと思います。けれども、シマリスは野性味を強く残したペットです。人間の生活環境に合わさせるばかりではなく、シマリスのために飼い主が工夫をしてあげる気持ちが大切です。
可愛らしさばかりを紹介するのではなく、シマリスやほかのリスについて、彼らが野生動物であることを理解した上で飼うことを「ザ・リス」では紹介しています。そして、それを実践していらっしゃる飼い主さんたちの飼育環境を写真で紹介しています。
文字だけを読んで終わるのではなく、是非とも紹介されている工夫を真似して、今より少しだけでもリスにとっていい環境を作ってあげてください。どういう工夫をすればいいかわからなかった方も、「ザ・リス」を参考にすることができると思います。
穀類と種子類、それに青菜類と果物で構成された、バランスのよい食事メニューの一例です。 |
食事内容を考える大切さ
シマリスを代表とするペットのリスたちには「リス用フード」が市販されています。種子類や穀物類を混ぜたペットフードです。自分で配合する必要がありませんので、与えやすいフードと言えるでしょう。でも、果たして市販されている「リス用フード」であなたのリスの体調管理は100%できると言い切れるでしょうか?犬や猫のようにペットとして飼われてきた歴史が長く、ペットフードの研究開発も長年されてきたドッグフードやキャットフードと違い、小さなペットたちの専用フードは、これからもっとよくなる段階にあります。このままペットとして飼われ続けていけば、5年後、10年後には今よりもっといい専用フードが市販されていることでしょう。
ペットに限らず、食事はとても大切なものです。どの栄養素をどれだけの量摂るかにより、健康を維持することもできれば、病気になりやすくもなってしまいます。ペットの健康を管理する立場にある飼い主としては、少し神経質なくらいにペットの食事内容を考えてもいいでしょう。あなたが何をどれくらい与えるかでペットの健康状態が変わるのですから。
今までリスの食事を考えたことの無かった方は、「ザ・リス」を読んで考えてみてください。彼らが野生ではどういう食べ物をどれくらい食べていたのか、自分はどんな食べ物を与えられるか、どれくらいの量与えるのが自分のペットには最適なのか、考えてみてください。
手から食べてくれる姿は、どの飼い主も喜べるものでしょう。 |
シマリスの病気
ペットは私達のように「お腹が痛い」とか「気持ちが悪い」とか言うことはありません。それどころか、野生動物は具合の悪いことは隠そうとします。だからこそ、私達飼い主にはペットを観察する力を必要とされるのですが、病気についての知識も同じように必要とされています。「ザ・リス」では、リスの病気をいくつか紹介しています。それらの病気の症状をよく読み、飼っているリスの健康管理に役立ててください。症状を知っていれば、病気の早期発見に役立つはずです。
また、リスの健康状態をチェックできる「リスの問診表」は、動物病院に行くときだけでなく、毎日の健康チェックにも役立ててください。どういうところを気をつけて観察すればいいのか、問診表のチェック項目が参考になると思います。
動物病院を探す難しさは、リスに限ったことではなく、すべての小さなペットに言えることかもしれません。でも、難しくてもあきらめずに、ペットが健康なうちに動物病院は見つけてください。病気になってから探すのでは、信頼できる動物病院を探す時間が足りないかもしれません。
-->>次のページは、著者の大野さんのインタビューです。