再び始まる首都圏への回帰
青山学院大学は、1982年に厚木キャンパスを開設した。このような都市部から周辺の郊外への移転は、全国で行われた。その理由の一つは、18歳人口の増加に伴って、より広いキャンパスを確保することが必要であったこと。さらに、文部省科学省の大学設置基準(校舎面積基準の3倍)を満たす必要があったからだ。しかし、2001年にこの基準が「校地面積基準について、学生一人あたり10平方メートルで計算すること」に緩和された。また、授業を校舎及び附属施設以外の場所で行うことができるようにもなった。18歳人口が激減することが予想される中で、いち早く青山学院大学は2003年に厚木キャンパス及び世田谷キャンパスを閉鎖し、相模原キャンパスを開設。
さらに、2012年には文系学部すべてを渋谷キャンパスに移転する予定が発表されている。本来の青山の地に戻る。このような素早い対応が受験生の人気の一因ともなっているようだ。
驚くほどの面倒見のよさ
青山学院大学では、毎年学生の保護者を大学や地方のホテル会場に集めて、懇談会(ペアレントウイークエンド)を開催している。内容は多岐にわたる。授業の進め方から、就職支援、ゼミの内容、様々なキャンパス設備の説明など。以前の大学であれば、考えられないような懇切丁寧な内容となっている。最近の保護者は、入学式や卒業式にも参加することを考えれば、以前の親との違いに驚くことだろう。懇談会の終了時には、かなり詳しいアンケートが取られ、集計されている。このような催しは、大半の親からかなり歓迎されているようだ。早稲田大学のような、放任教育とは双璧をなすような懇切丁寧な指導ではないだろうか。
一般の大学は、ゼミのクラスでの担当教授との関係だけが主となる場合が多い。ところが、青山学院大学では、アドバイザーグループという制度がある。これは、大学での勉強以外の面を含めて、教授と学生が身近に接することができるサークルのようなもの。専門だけではない幅広い知識を持つことができるのが素晴らしい。