▼別れは突然に
2004年12月17日、いつものように桃太に晩ご飯を持って行くと
桃太が私の手から降りなかった。
いつもなら、手には挨拶程度ですぐにごはんに行くのに、である。
姫が私の手に手をかけようものなら、怒る。
危篤だ。
悲しいことに、なぜか私にはそれがわかってしまった。
しばらくケージの中に手を入れたままで桃太を抱いていたのだが、
いっこうに手から降りる気配はないので、桃太を抱いたまま私は部屋を移動した。
仲良し大作戦の間ずっと一緒にいたリビングで、
あのときのポーチを手に替え、私は桃太を胸に抱いていた。
1時間くらいたった頃、今夜は寝ないことに決め、片手がふさがった状態でどうフェレットをケージに入れるかを考え始めた。
いい方法が浮かばないままでいると、手の中で桃太が動いた。
そのまましばらく抱きしめた後、見てみたら桃太は亡くなっていた。
尻尾まできれいに丸まり、まるで寝ているかのような姿で。
犬猫に比べると小動物というのは一緒に暮らす時間が短い。
犬のように見てわかるほど飼い主を慕うことは無いかもしれないし、
猫のように一緒に眠ることも無いかもしれない。
でも、一緒に過ごせる期間は短くても確実に飼い主と小動物の間にも絆は生まれる。
うちに養子にもらったことが失敗ではないかと思うこともあった仲良し大作戦の3ヶ月。
威嚇ばかりされ、仲良くなんかなれないのではないかと思ったこともある。
でも、あれがあったからこそ、桃太は最後の場所を私の胸の中に決めてくれたのだと思う。
飼い主次第で、種類を問わずどんなペットも最高の家族になる。
今の私にはそれがわかっているから、
みなさんにも最高の家族と素晴らしい時間を過ごして欲しいと思う。
うかうかしていると時間はすぐにたってしまうから、ペットのための時間をたくさん作って欲しいと思う。
しっかりとペットとの間に絆を作って、短くても濃い一生をペットにおくらせてあげてください。