▼他店の潰し方
ペットショップは売れるものを扱う。
だから、人気のあるペットは人気のある時期に大量に仕入れます。
そして、売れ残った子には厳しい未来が待っていることもあります。
犬ガイドの坂本さんも書いているとおりに。
アメリカには生体は置かないペットショップというのがあります。
お店はペット用品のみを扱い、毎週愛護団体がそのお店内で犬や猫の里親探しをやるのです。
こういうお店の方が私は個人的に好きです。
でも、同じことが日本国内でできるかという話になると、そこには別の問題があるように思えます。
みなさんは、何件か違うペットショップが軒を並べているのって見たことありますでしょうか?
扱うペットの種類が違うお店ならあるかもしれませんが、同じ種類を扱うお店では、たぶん無いでしょう。
なぜなら、ペットショップって実は汚い側面があるからです。
決して全てのペットショップがそうだと言うわけではありません。
けれども、一部のペットショップはライバルとなる近所のお店に嫌がらせを行い、追い出してしまうことがあります。
それも値段や商品で競うのではなく、近所の動物病院等を抱き込み、ライバルとなるお店に客が行かなくなるように話をさせるなどして追い出すのです。
はっきりとライバル店に移転するように言ってくるお店もありました。
こういう汚いお店がある限り、純粋にペットのことを考えてお店を運営していくのは厳しいのでしょう。
売れるものを置く、それは他店に潰されないためにはしなくてはならないひとつの方法なのかもしれません。
犬の話で申し訳ないのですが、数年前に知人の友人がペットショップを開きました。
このお店の特徴は、フォローアップです。
買いたいと来たお客さんに犬について指導し、買われた後もなにかあればフォローをしていく。
そうやって犬も飼い主さんも幸せになれるようにとフォローアップしていくお店だったのです。
このお店は飼い主にとってもありがたいお店だったと思います。
しかし、犬について指導するがために話だけで買わないで終わるお客さんも多く、また、買った人からの相談にもかなり時間を取られ、お店を運営し続けることが難しくなってしまったのです。
ペットショップを運営している人にも理想はあります。
扱うペットみんなに幸せになって欲しい。
そのためにできることを考え、実践したところ、お客さんにかける時間は増えたもののお店の収入は減り、運営が難しくなってしまって、とうとうこの方はお店をたたみました。
もっと別の方法でやればまだお店は続けられていたかもしれません。
でも、お気軽にペットを求める飼い主に対しては、このお店よりも簡単に購入できるライバル店の方が好まれちゃうんです。
利益ばかりを考えて売るお店がある限り、お店を続けるためには自分の理想を追い求め続けられないこともあるのでしょう。