▼ペット業者の責任
もしかしたら、昔はペットを売ればいいだけだったかもしれません。
けれども、今ペットショップ・ペット輸入業者に望まれていることはそれだけではありません。
ペットの習性を理解し、客にそれを伝え、飼い方を指導することや
ペットの負担とならない展示・管理等、多くのことを望まれています。
そしてもちろん、扱っているペットの健康管理もです。
日本の報道を見ていると、今回の猿痘も以前の野兎病も全てペットが悪いようですが、
本当に悪いのは正しい管理を怠ったペット業者です。
ペット業者がもっと扱う個体に注意を払い、
費用がかかっても検疫期間を設け、健康診断・治療を行うようにするだけで
ズーノーシスの危険はかなり下げられるのです。
もちろん、飼い主の責任も否定できません。
もし猿痘に感染していたプレーリードッグを飼い始めた方がすぐに病院に行っていれば、
もし飼い主が手洗いなどの衛生配慮を怠らなければ、
感染の拡大は防げたかもしれません。
最初にズーノーシスの疑いが報告された5月中にはっきりさせられていたかもしれません。
いろいろな種類の動物がペットとして飼われるようになったことで
今までは気にしていなかったズーノーシスも考えなければならなくなりました。
考え、対策をとることで自分のペットを守ることができるのですから、
これは飼い主の責任と言えるでしょう。
今年の春、プレーリードッグの輸入には規制がかかりました。
今回の猿痘の発症報告により、今はネズミなどげっ歯類の輸入について検討され始めたようです。
検疫を強化することで国内に病気を持ち込むことがある程度は防げるでしょう。
でも、西ナイルウィルスのように渡り鳥が運ぶことができる感染症は防げません。
密輸された動物の持つ感染症も防げません。
輸入規制もひとつの方法です。
でも、輸入規制ばかりするのではなく、ペットを扱う業者の教育や指導も検討して欲しいです。
ペット業者が良くならないことにはいつまでもペットは悪者扱いされ続け、
ズーノーシスが日本に入る危険性も減りません。
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西ナイルウィルス(West Nile Virus)とは?
西ナイル熱やウエストナイル熱(West Nile Fever)と呼ばれる感染症を起こすウィルスで、 鳥と蚊で感染環が維持され、人間には主に蚊より感染します。 感染しても何も症状が出ないまま終わるケースが多く、また発症しても 1週間程度で回復するのだが、まれに西ナイル脳炎となるケースがあり 命に関わることもあります(アメリカではすでに数百人の死者が出ています)。 今現在はまだ日本での発症例報告は無いようだが、いつ出てもおかしくないのが現状です。 |






