メクラヘビ
メクラヘビは世界中に分布する地中生活に特化したグループのヘビたちです。とりあえずメクラヘビ科、カワリメクラヘビ科およびホソメクラヘビ科の3科に分けられていて、それぞれ約200種、15種および90種程度の300種程度が現在は知られています。
どの種も、別名を「ミミズヘビ」というように、目が皮下に埋没していて口も小さく、一見ミミズのように見えます。
多くは20cm程度の長さで細く小型の種類ですが、中には太くて30cm以上になる大型の種類もいます。
基本的にアリの幼虫や卵など土の中の小型の昆虫類を食っています。
日本でも、ブラーミニメクラヘビという種類が沖縄や小笠原諸島などに分布しています。そもそも、ブラーミニメクラヘビ自体が20cmにも満たない程度の、どう見てもミミズみたいなヘビなのですから、今回のニュースみたいに「世界最小のヘビ発見さる!!」みたいに大げさに言われても「なんだメクラヘビか」みたいな感じで拍子抜けなんですよね。日本のヒメヘビみたいに、ちゃんとヘビしているのに小さい、みたいな感じなら興奮も何割増しかなんですけど。
メクラヘビを讃える章
だいたい、メクラヘビって脊椎動物に見えません、というか、私たち両爬ファンでさえ、ちょっとキモい御三家である「メクラヘビ」「ミミズトカゲ」「アシナシイモリ」あたりは、はるか昔に地球を侵略しに来たけど、そのまま居心地が良くて住み着いちゃった地球外生物でしょ。コイツら。ブラーミニメクラヘビの頭部 |
そもそもブラーミニメクラヘビは、観葉植物の植木鉢の土の中に入って世界中に広がっていったんですから、えらくアナログな方法だけど立派なエイリアンですよ。
それに、ブラーミニメクラヘビはメスだけで殖える単為生殖なのも地球外生物っぽいです。
ちなみに今回発見された世界最小のヘビは単為生殖するかどうかはわかっていません。てか、もう単為生殖でイイよ、オマエも、って感じ。
オーストラリアのメクラヘビRamphotyphlops endoterus |
まだブラーミニとか、今回のヘビは黒とか茶色っぽいからいいんですけど、私がオーストラリアで出会ってしまった種類なんて、もうピンク色ですから。ある種の線虫にしか見えないです。しかもなんだか変な模様までうっすら入っているのだから気味が悪いです。そんな生理的嫌悪感をガンガンと与えまくってくれるような生き物なんです。コイツらって。
ちなみに、今回の新種のメクラヘビの種名「carlae 」なんですが、なんとコレ、発見者であるHedges博士の奥様Carlaさんにちなんでいるというのですから、この博士、何を考えているのか...奥さん、コレでうれしいか?って聞きたくなっちゃいますよ。
あ、奥さんは爬虫類学者さんだそうなので、いいのかも。
で、こんな変な生き物のくせによく見ると、いっちょ前に二叉に分かれた舌をチロチロ出しているし、ウロコもしっかりとあるんですから生意気です。側溝に落ちたら脱出できなくて、すぐに乾燥して針金みたいになっちゃうくせに。
さらに捕まえると、先端の尖った尾を押しつけてきて不快極まりないったらないんです。で、これまた普通のヘビみたいに臭腺からイヤな匂いのする分泌物まで出すんですよ。オマエはヘビか?って問いつめたくなります。ま、ヘビなんですけどね。
以上、全部メクラヘビ大好きの私からのホメ言葉でした。