さて、9月も半ばで秋の気配ですが、この時期の風物詩の一つに、学校での文化祭や学園祭というのがあります。
実は、私が生活している宮崎県では、どこの高校でも基本的に9月のはじめに文化祭をやってしまうんです。
ご存知のように、私は高校の理科の教員が本業ですので、勤務している学校でも、つい先日文化祭が行われました。
実は、今回の文化祭では、私が面倒を見ている学級の生徒が
「学級の教室展示のテーマとして『ヘビ』を扱いたい」
と申し出がありました。その学級は3年生で、高校最後の文化祭ということもあり、生徒の思い出に残るのならばということで、全面的に私も協力をさせてもらいました。
もしかすると、これから文化祭を行う高校生や、先生方のお役に立つかもしれないと思い、今回の顛末を記事にさせてもらいました。
というか、展示した模型がなかなか面白い出来だったので、それをお見せしたいというだけなんですが。
「heavyなヘB」計画
私の勤務している高校では、なんと8月末に文化祭を行いますので、計画は1学期の終わりごろには立てなくてはいけません。担任の先生も、ここが一番大変なところです。
文化祭というのは、準備が軌道に乗ってしまえば、ほとんどの生徒は楽しみながらそれに取り組むのですが、軌道に乗せるまでが本当に大変なんです。マジで。
で、さまざまな紆余曲折の末、ある生徒から
「高校最後の文化祭なので、最後に先生が大好きなヘビをテーマに教室での展示発表をしたい」旨の申し出がありました。
うれしいことを言ってくれる...って、一番お手軽だからか...?
テーマが決まると早いもので、結構トントン拍子に準備が進みます。
具体的な内容は
1.世界最大の大蛇の実物大模型を作って展示
2.世界最小のヘビの本物を展示
3.ヘビの生体を展示
4.ヘビに関する情報を模造紙で展示
5.キリスト教におけるヘビの話を書いて展示(ミッション系の高校なので)
というわけで、目玉は世界最大のヘビの実物大模型であること、3年B組であることから展示の題名が
「heavyなヘB」
ちょっとサムい感じのセンスですが、まぁいいでしょう。
そんなこんなで3年B組の最後の文化祭・ミッション名「heavyなヘB」計画の開始です。
大騒ぎの準備
どんなプランにするかを生徒に確認すると1.入り口から入ったすぐの場所に世界最小級のヘビ・ブラーミニメクラヘビの生体を展示
2.そこからトンネルを作って、途中に水槽を置いてヘビの生体を展示
3.トンネルを抜けると森の中の泉を模したジャングル風の光景
4.そこを抜けると教室の半分のスペースで世界最大のヘビの模型を展示し、その他の展示物を掲示
と、こんな感じ。
生体は当日に私が持ってくる、模造紙の展示物はネット等を使って調べるとして、大変なのはメインの大蛇模型。
正式な世界最大のヘビの記録はアミメニシキヘビの9.9mなのですが、ちょっとアミメでは細くて迫力がなさそうなので、2番目の記録であるオオアナコンダを作ることにしました。世界最長ではなくボリュームとして最大ということで。
私としては、もちろんマニア魂で重さとか、頭長とか胴の直径とか尾長とか、こだわりたかったのですが、フツーの人間である生徒たちが主役なので断腸の思いであきらめます。
とにかく9mくらいの長さのヘビを生徒のイメージ主体で作らせました。
ただ、せめて斑紋パターンと頭部の形状はアナコンダの命でもありますから、そこだけは譲らずに冨水明さんの「大蛇世界」を生徒に見せて再現を目指します。
頭部はデザイン系の大学進学を志望している生徒に任せました。どうやらシュレッダー屑を餡子にして、紙粘土で造形するとの事。くれぐれもアナコンダは上方に位置する目と目の後ろのオレンジ色のラインが命であることを強調。
オオアナコンダ模型頭部 |
胴体は厚紙をつなげて作ることに決定したようです。
色はスプレーでも使えばいいだろうと考えていたのですが、準備を見ていると厚紙に緑色の画用紙を小さくちぎって1枚1枚貼り付けています。しかも、特徴的な胴体の斑紋パターンである黒に縁取られたオレンジ色のブロッチも同じように色画用紙を小さくちぎって貼り付けています。そんなんじゃ、間に合わないぞー、と思って聞いてみたら、なんとビックリ、ヘビの「鱗」をイメージしているとのこと。
すげぇ...感激しましたよ、先生は。
ま、その鱗も時間が経つにつれて「大きく」なってしまうのはご愛嬌です。