爬虫類・両生類/両生類・爬虫類の飼い方

Part2 脱走防止(2ページ目)

両爬たちを最後まで大切に飼育し続けるためのシリーズ「ザ・脱走」の第二弾です。脱走させないための準備や心構えをなるべく具体的に考えてみましょう!

執筆者:星野 一三雄

前回の事案4・アムールラット編より
ヘビに限らず、両爬の飼育は心と時間、体力に余裕のあるときに計画的に行いたいモノです。出かける前などのあわただしい時間では、焦ってしまってフタの閉め忘れなどの事故が起きがちです。
また疲れているときや、酒に酔っているときなどにハンドリングするのも事故のもとです。正直、酔っぱらい状態でヘビのハンドリングをしているときに起こった事故の多さにビックリしています。
また多くの飼育ケースを管理している場合などは計画的に行うことによってケースの開け閉めが習慣化して失敗が減ります。
さらに不必要に外に連れ出したりしないようにします。昼行性のリクガメやイグアナなどのように日光浴をさせたり、広いところで運動させたりすることが有用である場合は動きが遅かったり、ハーネスで管理できたりできればいいのですが、ヘビなんかは全く外に連れ出す必要はありません。たぶん、ヘビを外に連れ出す人って、野生でヘビに出会ったことがない人なんだろうな、とフィールド派の私は思います。
何にしても無理をして生き物の飼育をしないことです。腹を空かしている両爬たちには申し訳ないのですが...
<教訓11>・両爬の世話は心、時間、体力に余裕があるときに無理がないように計画的に行う
<教訓12>・酒に酔っているときに世話をしない
<教訓13>・外に連れ出さない


その他の事案より

ヘビの脱走に関するページで見つけた事案では、温室や爬虫類専用ケースの組み立て、あるいは不良品が原因で脱走に至った場合が多いようです。
<教訓14>・ケースの組み立ては確実に
<教訓15>・ケースを組み立てたら各部をチェックする


地上性のトカゲやカメではケースにフタをしない場合も多いでしょう。しかし彼らはジャンプ一番、あるいは懸垂よろしく、高いケースの壁を乗り越えて脱走します。ジャンプ力や腕力を甘く見てはいけません。確実に安全なケースの高さに決まりはありませんが、背伸びをした体長の2倍の高さがあれば良いでしょう。トカゲの場合は尾だけを支えにして背伸びすることもありますのでそこまで計算して考えます。
<教訓16>・フタをしないのならば2倍以上の高さが必要
すげー汚い...
ケース内に垂れ下がったコードこういうので脱走します


屋外でカメなどを飼育する場合は大雨による増水での脱走というか逸出があり得ます。普段から安全な退避場所を準備しておき、大雨の時は早めに退避させましょう。
<教訓17>・池飼育などは大雨情報に注意

最後ですが、脱走を防ぐには彼らが逃げたがっていないか、どこか逃げ出せそうなポイントを気にしていないか、背伸びをしたときの余裕がどのくらいあるか、など毎日の観察が重要です。もちろん、飼育器具の不備なども発見しやすいでしょうし、万一、脱走されたときにも早く気づくことができます。
<教訓18>・毎日、必ず脱走を前提にして観察する

飼育容器からの脱走は、そのほとんどが不注意や油断から生じる事案です。とにかく油断せず、すべてのことを「完全に」こなす心構えが必要でしょう。

次回は「脱走に備えて」を考えてみたいと思います。
もはや人に見せられる代物ではない
ケース内に配されたコードの”鼠返し”


<関連記事>
シリーズ ザ・脱走 Part1 脱走事案集from All About
爬虫類飼育コトハジメ・その「覚悟」と「心がまえ」from All About
プラケ新事情from All About
増加する遺棄・脱走・保護事案from All About

<参考サイト>
S'hei's Homepage
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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