爬虫類・両生類/フィールドワーク

四月 野良蜥蜴の素晴らしさ(2ページ目)

いよいよフィールディングシーズン本番です。この時期からほとんどの両爬たちが出そろいます。今回はちょっと皮肉めいた野良蜥蜴たちとの出会いです。

執筆者:星野 一三雄

▼捕まえ方
さて、運良く彼らを見つけたとしても、彼らを捕獲するためにはコツも必要です。
◇日光浴中を狙う
彼らは、朝目覚めてからすぐに活動のための体温上昇を日光浴によって行います。十分に温まった彼らの速さには、かなり手こずります。
そこで捕まえるためには、まだ十分に日光浴をしていない時間帯を選ぶべきです。夏ならば朝、春ならば午前中がいいでしょう。
また私の経験ですが、日光浴中に腹部を大きく広げているときは、かなり彼らはリラックスしている状態のようで、比較的捕まえやすいようです。

◇尾切れは覚悟
トカゲやカナヘビは見つけても、素手で捕まえるのはかなり大変です。これはもう練習しかないでしょう。
基本的には手のひら全体で軽く押さえ込むしかありません。カナヘビは押さえ込めばこちらの勝ちですが、トカゲは体表がつるつるしていますので指でつかんでも「するり」と逃げられてしまうことがあります。

またご存じのように彼らの尾は容易に自切しますので、慎重になってしまいます。
が、そもそも彼らの長い尾は自切するためにあるのですし、再生もしますから、あまり気にしなくてもいいでしょう。というか、むしろ大いに自切してもらいましょう。
なぜなら自切させてしまったことで、よけい彼らの体調を気遣って慎重に飼育にあたれますし、完全尾の個体を求めるために繁殖にも熱が入るでしょうから。だから自切させてしまった個体は責任を持って持ち帰って大切に飼育しましょう。

◇必殺!!トカゲ釣り
どうしても手で捕まえられない、という方は「トカゲ釣り」をしてみてはいかがでしょう。
実はこの方法、破壊的に効率よく採集できてしまいますので、あえてここではその方法を詳しくは紹介いたしません。自分で経験して、失敗を繰り返しながら、工夫を重ねてください。ただし一つだけヒントを出させて頂きます。「軟らかい竿先の釣りザオはダメ」です。

◇一度逃げられてもあきらめない
カナヘビは、なぜかわかりませんが、日光浴中におどかされて逃げても同じ場所に戻ってくる傾向があります。早ければ数分で近くに出てくることが多いです。ですから逃げられてもあきらめずに、その場所に腰を据えて周囲数メートルを監視しておくといいでしょう。ま、ゆっくりとタバコでも喫いながら。あ、携帯用の灰皿は忘れちゃいけませんよ。

ちなみにニホントカゲは戻ってこないようです。

▼最後に

というわけで今月はニホンカナヘビとニホントカゲを捕まえるフィールディングを簡単にご紹介しましたが、わかっていただけていると思いますが、これはその辺で一生懸命に生きている小さなカナヘビやトカゲが小銭にしか見えていない方達への精一杯の皮肉も込められています。
庭先のカナヘビが大のお気に入りのオモチャだった頃、山道でキラキラと光るトカゲが憧れの生き物だった頃、そんな幼いけれど、彼らと友達だった頃を忘れてしまった方達への目一杯の皮肉です。

それから、もちろんですがニホンカナヘビはもちろん、ニホントカゲも飼育は楽とは言えません。安易な飼育を目的とするのは慎みましょう。

トカゲやカナヘビは実は、結構移動力に乏しく、家族や一族でその周辺に住みついていることが多いそうです。そんなことも考えながら彼らを見てあげると、また違った表情を見ることができるかもしれません。

<関連>
ガイド記事・カナヘビを飼うということ
ガイド記事・カナヘビをまじめに飼う
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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