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こんなところにも... 爬虫両生類界へのテロの影響

9月11日にアメリカで起きた悪夢のような出来事。世界を変えた日とも言われますが、少なからず爬虫類シーンにも影響が出ています。

執筆者:星野 一三雄

爬虫類・両生類ファンのみなさん、こん○○は。
いよいよ寒くなってきて、飼育中の個体たちもちょっと元気がなくなって来始めている頃でしょうか。

さて、今回はちょっと変った話題をClose Up!をしてみました。
去る9月11日に起きたアメリカの同時多発テロ事件。あの事件とその後の報復行動で犠牲になった方々、およびその遺族の方々には衷心よりお悔やみ申し上げます。あの衝撃的な映像が映し出されてからまだ間もないのですが、実はあの事件とその後のアメリカの報復の影響は日本の爬虫類シーンにも少なからず影響が出ているのです。

▼影響その1・航空機への持ち込み制限

私はあの後、例年のように沖縄方面へフィールディングへ行ったのですが、まー、大変でした。何が大変って、荷物のチェックです。あの事件後は機内持込だけでなく預ける荷物も厳重にチェックされてしまうわけです。例えば、私などは沖縄でヘビやらトカゲやらを捕まえて連れて帰ってくる(もちろん違法行為ではありません)わけですが、正直なところ荷物の中身などを見られてしまったら大騒ぎになっちゃうわけです。で、私だけでなく同じような趣味を持っている友人達も同じような憂き目に遭っています。

▼影響その2・航空便取り扱い荷物一時預かり

さらに同じような話ではありますが、もっと深刻な影響が出ているのがショップさんや卸の方々、あるいは生体の輸入を行っている方たちです。特に国内で通信販売を行っている方たちは主に生体の輸送を宅急便で行うのですが、国内の宅急便の航空便での扱いは荷物の中身をチェックまではしないのですが安全確保のために数日間、飛行機に載せずに置いて様子を見ることにしています。これでは生体は保温もないまま餌も水もありませんので健康状態を崩してしまうことも考えられてしまいます。私がよく行くショップの方もこれには困っていました。

▼影響その3・アフガニスタン産種の希少化?

また、先日とある掲示板でこんな書き込みがありました。

ヒョウモントカゲモドキ・アフガン亜種。これから先は入手が不安定になります。この機会にいかがですか?」

ヒョウモントカゲモドキは現在最もポピュラーな爬虫類の1つですが、その亜種にアフガンafghanicusという亜種がいます。
これはその名前からも分かるようにまさに現在戦場となっているアフガニスタンとパキスタンの山岳地帯を中心に分布しています。ですから今後の状況(というより、これを書いている11月初旬現在の状況では、もはや)次第では、それこそ好事家の楽しみのために輸入などは望むこともできるわけがないわけです。ですから、これに目をつけて希少感を煽って投機対象にしようとする話なども出てくるわけです。ただし、実際にはアフガン亜種はこれまでに結構国内に流通しているそうなので、希少感はあまりないそうですが。

でも、だからと言って自然に住む彼らが戦火に巻き込まれてしまうことは否定できないわけですから、現在飼育している方たちは本当に大切にして欲しいですね。もちろんヒョウモントカゲモドキ以外にも、件の地域に分布していてペットとして流通している種類は結構いるので、そんなのを飼育している方たちはぜひ大切に飼育して、繁殖まで成功させて欲しいものです。

と言うわけで、こんな我々爬虫類愛好家たちにとっても憎むべきは、テロと言うことでしょう。願わくば、全ての世界の人々と生き物たちが幸せに過ごせる世界にならんことを...

<関連サイト>
レオパ-アフガン
アメリカでのテロ事件による荷物の取り扱い制限についてのお知らせ(ヤマト運輸)
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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