飼い主のモラル次第で、殺処分はゼロに近づける!
この子達には新しいおうちが見つかりました! |
去勢・不妊手術を行わなければ、猫はネズミ算以上に増えてしまいます。数が増えると云うことは単純明快に、すべての負担が増すということ。
そして飼いきれなくなったら、愛護センターに持ち込んで税金で処理してもらえる?
こんな安易な考え方はいったいどこから発生したのでしょう?
民間ボランティア、頑張ってます!
確かに国の指針が示すとおり、殺処分数は徐々に減ってきていますが、これは民間ボランティアがセンターに収容された動物を引き取り、新しい飼い主を捜す努力を積極的に行っているからでもあります。日本の行政には、まだ引き取った動物を生かして次に手渡す活動ができる本格的なシェルターがありません。愛護センターも新しい飼い主に引き渡す努力はしていますが、民間ボランティアの協力がなければ、殺処分される数が減った、と実感できるにはほど遠いでしょう。殺処分現場の現状
城南島出張所で、職員の方にいくつか質問をしました。ここは東京都の管轄ですが、現在殺処分業務に関わっているのは民間の委託業者です。行政担当者は、実際には手を汚していません。このとき、私の質問に答えてくれたのは、都の担当者でした。
「幼かったり老齢の動物は、死ぬまでに時間がかかったり苦しむと聞きましたが、実際はどうですか?」
「まぁ、そのような場合もありますね」
「安楽死といわれていますが、実際はどのように感じてらっしゃいますか?」
「なかなか難しいですね」
まだ目もあいていない子猫が持ち込まれることが多い、と伺ったので、
「そのまま放置しておいても、すぐに死んでしまうんじゃないですか?それでも、殺処分されるんですか?」と尋ねると、
「それが決まりですから」との回答でした。
働いてらっしゃる獣医師からは、こんな話も聞きました。
多くの不特定多数の動物が集まる場所で、まして、ほとんどはワクチンなど接種されていません。元々ウイルスを持ってここに連れてこられる個体もあるでしょうが、ここで感染して発病、殺処分を待たずに死んでしまう子も多いそうです。
持ち込む側の自分勝手な理由
約半数の大人猫は飼い主によって持ち込まれます。・引っ越しするので飼えなくなった
・どんどん子供を産んで増えすぎてしまった
・アレルギーが出た
・結婚する
・子供が生まれる
・飼い主が病気や高齢で飼い続けられない
様々な理由がありますが、耳を疑ったのは
『病気で苦しんでいるので、死ぬのを見たくない』
という理由で持ち込む人がいるということ!
人間って、本当に残酷な動物です。
子猫の場合は、ほとんどが「拾得者からの引き取り」という形です。
知らない間に生まれていた、子猫を拾ったが飼えない、など持ち込む理由は様々でしょうが、飼っている意識がなくてもエサを与えているなど、なにかしら関わりがある猫が生んだ子猫かもしれません。
少しでも面倒を見ているのであれば、最初に不妊手術をすれば、子猫は生まれません。
持ち込まれる約9割が子猫、という現状。この子猫たちは「殺処分されるために生まれてきたのか」と考えると、どうにもやりきれません。
地域によっては、飼い主のいない猫の手術に対して助成金が出るところもあります。
殺してしまういのちを、これ以上生ませないでください。
耳カットは不妊手術済みの印 |
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