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ネコの性と不妊手術 ネコの不妊手術の勧め

ガイドが考える「ネコに不妊手術がなぜ必要なのか?」という理由と、手術を行うことのメリット、行わないことのメリットなどについてです。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

昨年10月に『ネコの不妊手術(去勢・避妊手術)について』の「あなたの一票」をお願いしました。その結果、93%の人がネコを飼うに当たって不妊手術を行った方がよい、と回答されています。

健康なネコの体にメスを入れること、手術や麻酔に対する不安、また自然の摂理を人間側の都合にあわせてしまうことに抵抗を感じる方が少なからずおられるでしょう。
また、かわいいかわいい我が家のネコの子猫を、一度でいいからみてみたい・生ませてみたい、という希望があるので手術しない、という方もいらっしゃるかもしれません。

今回はガイドが考える不妊手術についてです。
※メスネコの場合は避妊手術、オスネコの場合は去勢手術、と呼び分けることが多いですが、ここでは不妊手術(妊娠しない、させないための手術)と書きます。

命が持つ運命

ネコの発情は日照時間に関係があるという説が有力です。メスネコは一日のうちの12~14時間、500ルックス(居間などで読書ができるくらい、かなり明るめです)の光にさらされていると、発情しやすいといわれています。ですから日が長くなってくる春先から、通常は発情シーズンとなるわけです。ただし、完全室内で飼われているネコの場合は、季節に関係なく明るい時間が長ければ一年中いつでも発情を迎える準備が整ってしまいます。

前回の記事に書いたように、性的成熟を迎えたメスネコが交配すると、かなり高い確率で妊娠します。野良猫だけでなく、飼い主がいても外出自由のネコは、飼い主が予期せぬ子猫を生みます。そして、出産3~4週間後には、次の妊娠が可能となって、授乳しながら妊娠、という悲惨なサークルゲームに陥ります。

生まれ落ちてくるのはみな、「同じ命」のはずですが、生まれ落ちたそのときの環境によって「命」が持つ運命は大きく異なります。
予定外で生まれた多くの子猫たちは、自然淘汰されるか、または飼い主の手によって捨てられたり、殺処分されたりします。

→予定外で生まれた子猫の運命を想像してください。その命に責任を持てないのであれば、最初から生ませない選択肢があります。

うちのネコの遺伝子に対するこだわり?

安産の守り神とされている犬よりもネコの方が上手にお産をする子が多いですが、それでもすべてが安産で子猫が健康に産まれるとは限りません。
一つタイミングを間違うとお産で命を落とす母ネコもいます。
愛しているから、かわいいと思うからこそ、その子の子猫をみたいと思って交配したとしても、それが原因でその当の本にゃんの命を脅かすこともあり得るのです。

仮に3匹から8匹、生まれた子猫全員の面倒を最後までみられますか?
何匹かは手元に残して…、では、それ以外の子猫の行き先が簡単に見つかると思いますか?

生後2~3ヶ月頃までの子猫は、本当に愛らしく、みているだけで幸せな気分にしてくれます。
しかし、5ヶ月も過ぎると子猫はギャングと化します。
1匹、2匹であれば「かわいぃ~」で許されても、それが集団となると…想像以上の破壊力を覚悟しなければなりません。

かわいい我が家のネコの子猫をみたいから出産を、といっても産まれてくるのはその当のネコではありません。血のつながりや容姿が似ていることが、愛するために必要な条件でしょうか?
その子(ネコ)といかに過ごしてきたか…それまでの時間があるからこそ、その子が特別だと感じるのではないでしょうか?確かにその親から生まれた子猫は、親に近い形態を受け継ぎますが、全く同じではありません。6匹兄弟が産まれても、中には両親どちらにも似ていない外見・性格の子猫が生まれるのです。
ネコが好き、という気持ちと、愛を育てていく時間があれば、血のつながりに関係なく絆が結べませんか?

→きちんと勉強して、管理ができて、先の先のことまで計画的に行えないのであれば、安易に子猫を産ませようと考えないでください。


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