ホントに猫が好き~
ホントに猫が好き~

味ほど上手には撮れない

新美さんに「ご職業は?」とお尋ねしたところ「犬猫写真家です。」と予想通りのお答え。
「どうして犬や猫をモデルに?」と尋ねると
「犬や猫を撮っているときが一番楽しいのね。犬や猫の(自分で撮った)写真は上手いと思うけど、それ以外は上手いと思わない。」と微笑まれた。

新美さんが一番よく受ける質問は、『犬や猫以外は撮らないのですか?』
では、私も。。。と、尋ねてみると。
「犬や猫以外の写真は他の人の方が私が撮るよりも上手いと思うの。だから発表する機会がないんですよ。例えば美味しそうなケーキとか、自分で作った料理が上手にできたのを写真に撮ることがありますが、味ほど上手には撮れない。
犬や猫を撮るときほど気持ちが入ってないのかな。犬や猫以外の写真も写真集に入れていますが、あんまり上手くないんですね。」とカラカラと笑われた。

新美敬子(にいみ けいこ)プロフィール
犬猫写真家、エッセイスト。主に海外に撮影のフィールドを求め、年に5~6回の海外取材を15年以上続けている。訪れた国は50ヶ国を超え、出会った犬や猫と人との暮らしを写真集やエッセイなどで紹介し好評を得ている。写真集、カレンダーなど著作多数。東京の自宅では6匹の猫と暮らしている。『猫ぢから 愛は‘無償’にきまっとる』(2007/講談社)や『職業犬猫写真家-猫とわたしの東京物語-』(2006/日本カメラ)などがある。本人運営ブログサイト「犬と猫がよろこぶ写真の撮り方」は、1日に2,000アクセスを越す人気サイト。

55カ国の犬や猫

新美さんが「犬猫写真家」として、撮影に行った国はすでに55カ国。今年も5月半ばからヨーロッパに行く。
新美さんは現在たくさんの雑誌などの媒体に写真と執筆を抱えている。レギュラー以外の掲載や新しい連載が始まる時に、以前に撮った別アングルの写真や発表済のエピソードを別角度から書いてください、といわれることがあるが、新美さん自身が「同じ話を書くのはつまらない」と思うので、年に数回海外取材に行ってネタを仕入れてくる。

今回の旅行はパリに入ってドイツから出る、というところまでは決まっているが、細かいスケジュールはこれから。行き当たりばったりではなく、泊まるところと交通手段は事前に日本から予約を入れておく。行く国はできるだけ今まで行ったことがない場所。でも治安が安定していて、現地の猫との対話(写真撮影)がスムーズに行くような国を経験から選んで計画する。

55カ国回ってみて「管理の行き届いている国では、街中でなかなか犬や猫と出逢えない」と体感した。
「例えばマンションとかは、ロの字型に作られていて中庭があるんです。そうすると犬も猫もその中庭で遊ぶし、家の中だけで飼わなければいけない条例がある地域だったら、滅多に外で猫に会えない。
だから、少し大らかな国の方が出会うチャンスが多いですね。」

少ない日数でできるだけ多くの国を回り、たくさんの犬や猫と出会うチャンスを得ることができるのも、今までの経験の積み重ねから得たもの。

だから海外に行くときは今まで行ったことがない国を中心に計画するが、それでもお気に入りの場所が数カ所あって、そこには複数回訪れている。
ひとつは、新美さんの写真集『マルタ幸せな猫の島』(2002/河出書房新社) で紹介されているマルタ島。そして香港のある島には毎年訪れるという。
香港のその島には、不思議なお爺さんがいて毎日山から下りてきて海岸で凧揚げをしているのだが、自分では上手に揚げられない。新美さんが糸を調節してあげたら、凧が空高く舞い上がり、お爺さんに喜ばれたそうだ。
凧のお爺さんはいつも犬を連れて歩いているが、彼の飼い犬ではなく、どうやら犬の方が凧のお爺さんを仲間として認識しているという。
そんな関係が気になってか、新美さんはここ6年毎年お爺さんに会いにその島に通う。

新美さんの著書の一部です
新美さんの著書の一部です

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