いろんな方向に毛が生えているのは、 ネコの顔が複雑な神経組織を 持っているため |
猫の顔をじっくり眺めてみると、鼻頭から目尻にかけての生え方が他の部分と違うことに気づかれるでしょう。
猫のつむじは、もしかしたらココにあるのかな?なんてね(笑)。
さて、前回は猫の皮膚について、今回はそこに生えている猫の毛についてのお話です。
猫は毛深い!
ヒトであれば、一つの毛穴から1本、まれに2本程度しか毛が生えていませんが、猫の顔の毛穴からは1~2本、毛の密度が高い脇腹などの毛穴からは5~10本以上もの毛が生えています。
毛の密度は、顔、首、背中、お尻、シッポ、脇腹に違いがあり、脇腹には背中の約2倍毛が生えています。
毛穴から複数の毛が生えていることで、健康な猫の皮膚は汚れにくく清潔に保たれます。
皮膚が清潔なので、ワクチンなど血管に行う注射以外の場合はアルコール消毒の必要がありません。
猫に生えている毛の種類
猫の毛を観察してみるとわかりますが、猫には数種類の太さ/柔らかさの毛が生えています。
一番長く、太いしっかりとした毛 | ガードヘア(上毛;プライマリーヘア、オーバーコート・刺毛・一次毛・保護毛とも呼ばれる) | 約0.04~0.08mm | 通常は一つの毛穴から1本生えています |
次の長さ/太さの毛 | オーンヘア(下毛) | 約0.025~0.04mm | 通常は一つの毛穴から数本生えています |
一番細くていわゆる猫っ毛的な少しウェーブががった毛 | ダウンヘア(下毛;アンダーコート・アウターコート・二次毛とも呼ばれる) | 約0.01~0.02mm | 通常は一つの毛穴から複数本生えています |
ちなみに、人の毛の太さは約0.07~0.09mm程度だそうです。
猫の芸術的な身体の模様は、ガードヘアとオーンヘアによって作り出されています。
ソリッドと呼ばれる単色(真っ黒とか真っ白の猫)以外のタビー(縞模様)の猫であれば、1本の毛の中にバー(色素の帯)と呼ばれる色分けがあることに気づかれるでしょう。
この1本ずつのバーの微妙な色合い、長さの違いが、猫の素晴らしい模様を作り出しているのです。
左:人の毛、中:猫のガードヘア、右:オーンヘアとダウンヘア |
タビーの猫の1本の毛の中にはバーが |
猫の毛の役割と生え替わりの周期は→