呼吸器気管としての鼻
何食べたの?クンクン
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ネコは人間のように汗をかいて体温調節することができません。
汗をかく腺にはアポクリン腺とエクリン腺の二種類がありますが、ネコにはこのアポクリン腺が非常に少なく、エクリン腺も足の裏(肉球のところ)にあるだけです。
暑いときや、激しい運動をした後もそうですが、なによりも非常に緊張したときには、ポウパットの足跡がはっきり残るほどグッショリ汗をかくことがあります。
犬は少しでも体温が上がると、口を開けてはぁはぁして体温を下げることができます。
激しい運動をした後などは、ネコも口を開けてはぁはぁと呼吸することがありますが、犬ほど長時間それを続けるのは苦手なようです。
健康で活動的な状態のネコの鼻にティッシュペーパーを当てると鼻紋がついて濡れるほど湿気ています。鼻頭は通常体温より2度ほど低いことが多いです。
呼吸をすることによって肺から放出される水分、鼻腺から出る分泌物、汗などがネコの鼻をしっとりさせている湿気です。緊張や暑さによっては、シオを吹いたように白っぽくなることもあります。
ネコの鼻はいつも必ずしっとりしているわけでもなく、健康状態が悪くて非活動的になっているときや、完全に熟睡しているときなどは、かなり乾いた状態になります。ただし、大人のネコになると完全に熟睡するということが少ないので、健康状態が良ければいつも少しは湿気が感じられるでしょう。
猫の鼻に関係する病気
よく見られる一般的な鼻に症状が出るのは下記のような病気です。
この3種類の病気にはワクチンがあります。
ワクチンはありますが、ワクチンを接種してあるからといって、これらの病気にかからないというわけではありません。
というのも、これらのウイルスは同じウイルスの中でも少しずつ姿形を変えたものが多く存在し、今あるワクチンだけですべてを予防することが難しいからです。
しかし、ワクチンを接種しておくことで、ウイルスに感染しても病気を軽く抑えることができます。
ネコの健康を考えると、効果的なワクチン接種が必要です。
ネコウイルス性鼻気管炎(FVR)=ネコのヘルペスウィルス
ネコカリシウィルス感染症=ネコのカリシウイルス
ネコクラミジア感染症=ネコクラミジアウイルス
発症は、このウイルスを持っているネコとの接触、クシャミや鼻水、涙、よだれによる飛沫感染、空気感染、人間が媒体する関節感染などによって起こります。
どの病気に感染しても、初期は涙目、鼻水、クシャミ、鼻づまりなどが起こり、病気が進行すると食餌のニオイがわからなくなるので食べられなくなって、体力が落ち、よけい悪化していきます。
初期にネコインターフェロンを投与する、抗生剤を処方するなどで治療効果が上がる場合が多いので、ネコの様子がおかしいと感じたらすぐに受診してください。
保温と栄養補給、水分補給も必要です。
食べたいそぶりを見せても食べられないネコに食事を食べさせるのはなかなかやっかいですが、食べさせることも治療の一環なので、食事を温めるとか、いつもより臭いの強いものをトッピングするなど工夫してあげてください。
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