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妊娠したらネコはどうする?Vol.2 ネコと赤ちゃんの生活

妊娠が解ったら、まず試してみて欲しいこと。ネコだけがアレルギーの原因ではないことや、ネコと赤ちゃんの生活での注意点などを取り上げてみました。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

これはある「にゃんこ」の独り言です。
彼女は3年前この家に来て以来、何をしても注目を浴び、家族の中で一番大切に扱われてきました。お母さんはいつも優しくて、よく遊んでくれて、トイレは汚したらすぐにきれいにしてくれます。パパさんは仕事が忙しくて、あんまりかまってくれないけれど、お休みの日、寝坊しているパパさんの頭の上でうつらうつらするのが好きです。
「にゃんこ」は毎日とっても幸せです。こんな毎日がずぅ~~~っと続くと思っていました。
ところが…

最近、お母さんがあんまりかまってくれないんだにゃぁ~
なんでかなぁ?あそぼぉ!って誘ってもすぐに疲れて横になっちゃう。
お母さんのお腹、すごくでっかくなってきた。食べ過ぎで苦しいのかな?
今までは汚したらすぐにきれいにしてくれたおトイレも、パパさんが帰ってこないときれいにしてくれないし…。
なんか、変なお母さん。

あれ?お母さんお出かけしちゃった。
トランク持ってパパさんと…
どして?あたし一人でお留守番?
お母さん、すぐに帰ってくるよね?ね?

パパさんは夜遅く一人で帰ってきたけど…お母さんは一緒じゃないの?
何度も何度も玄関に行ってみるけど、お母さんは帰ってこない。
パパさんがご飯くれたし、トイレもきれいになったけど…
お母さん、今夜は帰ってこないのかな?

お母さん、もう何日も帰ってこない…
あたし、お母さんに捨てられちゃったのかな…
ひとりぼっちのパパさんは、いつもよりあたしのことをかまってくれるけど、あたしはやっぱりお母さんが恋しい。今夜はお母さんのお布団で寝て待ってよ。

あっ?!あの足音、お母さんの足音だ!
ワクワク!
お母さん、帰ってきたんだ。
ドアが開いたら飛びついてびっくりさせてあげようかな?
それとも脚にスリスリする方が良いかな?

お母さん、小さなお人形みたいなものを抱っこしてる。
あたしが一生懸命脚にスリスリして「おかえりない、寂しかった~~」って甘えても、「後でね」って一言。
なんで?
小さなお人形ばっかりかまって、あたしのこと全然みてくれない…
なんでかなぁ…寂しいなぁ。


ネコがこのような感情を持っているかどうか定かではありませんが、いつもと違う雰囲気を察知する能力が非常に優れているのがネコです。
お母さんになる人は、10ヶ月の間、自分の身体の中で新しい生命を育み、徐々に母親になる自覚がついてきます。しかし、ネコはそれについて理解できないでしょう。

赤ちゃんという家族が増える予行演習

これから生まれてくる赤ちゃんとネコとの生活を想像して、ネコが赤ちゃんにちょっかいを出してケガをさせたり、赤ちゃんの上に乗って窒息死させるのではないか?!、アレルギーが出て赤ちゃんの健康状態が悪くなるのではないか?!と不安になることはないでしょうか?
私はネコガイドとして、ネコを擁護する側の立場ではありますが、でもこれからお母さんになる人、そして周りの人たちが心配される気持ちはとても良く理解できます。
そして、どんなに愛していても「ネコはネコである」ということは事実ですから、それを忘れないでいて欲しいと思います。

妊娠が解った時点で、今までとは違ってくるネコとの生活を考えてみましょう。
まずは、ネコに新しい家族が増えることを理解させるために予行練習をしてはいかがでしょうか。

早めに赤ちゃんの部屋を決めましょう。そして、その部屋にはネコを一切入れないようにするか、入っても良い時=家族の誰かがいるときだけその部屋に入ることができる=習慣をつけていきましょう。

これは、赤ちゃんとネコを守るための基本的なルールです。
ほんの少しの間でも赤ちゃんの側を離れるときは、必ずネコを部屋の外に出してください。あなたや、誰か他の人間が側にいるときはネコが側にいても心配ないでしょうが、突然何かが起きてネコをパニックに陥れるかわかりません。そしてパニックになったときに、ネコがどのような行動を取るかも…

『もし何かあったらどうなるのかな?』
あなたも赤ちゃんも、そしてネコにも辛い思いをさせないために、事故を未然に防げるよう想像力を働かせてください。そのために、赤ちゃんがいるスペースは赤ちゃんの縄張りだとネコが認識できるように準備していきましょう。

次に早めにベビー用品を購入し、赤ちゃんに見立てた人形を用意します。
検診などで産院に行くときは、タオルなどを持参して看護士さんに協力してもらって、そのタオルに赤ちゃんやミルクなどの匂いを付けてもらいましょう。それを持ち帰り、用意してあるダミーの赤ちゃん人形をそのタオルでくるみ、ネコに人形の匂いを嗅がせてください。
ネコは視覚・聴覚よりも嗅覚が一番優れている動物です。
嗅いだことがないニオイには、敏感に反応しますので、あらかじめ上記のような方法で「赤ちゃんの匂い」を認識させておくのです。

赤ちゃんの部屋で、実際にやるように人形を抱っこしてあやしてみせて、飼い主がそのような動作を取ることに慣れさせておきましょう。
赤ちゃんの泣き声を録音した音をネコに聞かせておくのも、よいトレーニングになるでしょう。大人の声と赤ん坊の泣き声は周波数が違いますのでその声に慣らしておくことは効果的だと思います。

ネコは突然何かが起こることを嫌う動物です。
徐々に家族が増えることを認識させておいて、ネコの精神状態が安定していればネコも赤ちゃんを受け入れやすくなるでしょう。

赤ちゃんを初めて家に連れ帰ったときの注意

可能であれば、赤ちゃんを別の人に抱っこしてもらって家に入りましょう。
家を空けていた飼い主が帰宅したことを喜ぶあまり、ネコが飛びかかってこないとは限りません。
また、真っ先にネコに挨拶して、赤ちゃんを紹介したいものです。
先にいるネコが長男・長女で次に生まれる赤ちゃんはその弟か妹なのです。


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