記事:前ガイド戸松 佐恵美 |
猫は可愛いですが、理性のない「動物」です。人間と一緒に暮らすからには、人間社会で「やってはいけない」事のルールを覚えてもらう必要があります。
ただし、これはあくまでも人間の勝手で猫をペットとして飼う上での事な訳ですから、愛情を持って叱りましょう。怒ってはいけません。
人間の子供だって、最初は理性なんかないようなもんですから、赤ちゃんを躾(しつけ)ると思ってくださればいいのではないかと思います。
◆目次
1)飴と鞭(むち)
2)トイレトレーニング
3)爪研ぎの勝負は子猫のうち
4)噛みグセのある子は単頭飼い
5)猫同志の喧嘩
※文中の猫写真は本文とは関係ありません。
◆1)飴と鞭(むち) |
人間の子供を躾(しつけ)る時にも、飴と鞭(むち)が必要なように、猫を躾る時にも誉めたり叱ったりが大切です。何をしたら叱られて、何をしたら撫でてもらえるのかをしっかり教えましょう。
それには、タイミングと方法が大切になってきます。
◇叱るタイミングも誉めるタイミングも「その場」でする事。
叱る時は現行犯で叱り、誉めてやる時にもその場で撫でてやりましょう。当たり前の事ですが、猫は人間の言葉を全て理解している訳ではありませんので「さっきはあんな事して!」と叱られても、何の事を叱られているのか分かりません。また、同じ事をしてるのに、ある時は叱られ、またある時には叱られない、となると猫には叱られてる意味が分かりませんので、叱るべき事は必ず毎回叱りましょう。
◇体罰はなるべくやめる
冒頭で、猫の躾けは赤ちゃんを躾るようなものだ、と言いましたが、あなたは赤ちゃんを躾る時に頭を叩くでしょうか?叩かないですよね?
猫は赤ちゃんより動き回れるのでつい、「か弱い生き物」である事を忘れがちですが、体の大きさは人間の1/8程度しかありません。自分より8倍も大きな生き物に叩かれる衝撃を考えて見てください。いくら力を加減した所で、猫にとっては肉体的にも精神的にも大きなダメージを与えてしまいます。
ですから、手で叩くような事はやめて、以下のようにして叱るようにしましょう。
・分かりやすい言葉で叱る
「ダメ」「いけない」など、短い言葉を使い、毎回同じ言葉で叱りましょう。
叱る時についつい名前を言ってしまいがちですが、名前で叱ると名前を呼ばれる=叱られると勘違いしてしまう事があるので気を付けましょう。(と言いつつ、うちには沢山いるのでどの子を叱っているのか分かるように名前を言う時もあるのですが・・・沢山いすぎて名前を間違えたりして・・逆効果だったりします。多頭飼いの方は気をつけてください。)
・顔の前で手を叩く
本猫を叩くのではなく、「ダメ」と大声で叱りながら顔の前で手をパンと叩きます。これはかなり効き目があります。
・顔に息を吹きかける
猫の顔をフッッと強く吹きます。これもイヤがりますので試してみてください。
・スプレーをかける
間違っても、中身のあるスプレーをかけてはダメですよ。それは虐待です。ここで言うのは、パソコンのキーボードを掃除する「空気の出るスプレー」です。猫はスプレー音が大嫌いなので、効果絶大です。
・霧吹きで水をかける
体に水が着くのをイヤがる子が多いので、これも効果はあると思いますが、常に水を入れておく訳にもいかないでしょうし、ちょっと可哀想なのであまりお薦めはしません。
ただし、うちのように蚤がいる場合には、霧タイプの蚤取り薬を手元に用意しておくと、叱れるし塗布できるし一石二鳥ではあります。(けれど、普通に蚤取り薬を塗布したい時には徹底的に逃げ回られるようになりますので、善し悪しです・・・)
・鼻ピンする
これは最後の手段にしてください。猫の鼻を指ではじきます。絶対に力を込めない事。友人は指が滑って力が入ってしまい、猫に鼻血を出させてしまいました。(それ以来この方法だけはやめているそうです)
いずれにしても、猫が「遊んでいるのではなくて怒っている」とちゃんと感じられるように、迫力をもって叱りましょう。でないとなめられるだけです。