トルコ料理の地方別特色
■地中海・エーゲ海沿岸
ギリシャにもあるタコのサラダ
海に近いだけあって、シーフードが充実しており、イカのグリル、タコのサラダ、ムール貝のフライ、エビのバター焼きなどがおいしく食べられます。また、この辺りはオリーブの生産地ですから、オリーブオイルの冷菜も種類が多く、大変美味。ギリシャが近いこともあり、料理名や内容ともに重複するものが多々あります。
■中部アナトリア
中央アナトリアの典型的食卓(スジュック、ギョズレメ、オリーブ、チャイ等)
肉料理が中心で、チーズやヨーグルトも盛ん。カイセリ名産のスジュックというスパイシーなソーセージやパストゥルマという肉の燻製のように、保存が効く料理も多いです。また、ユフカと呼ばれる小麦粉の薄生地にジャガイモや白チーズなどを入れて鉄板で焼いたギョズレメや、マントゥと呼ばれる水餃子風の料理のように、小麦粉を使った料理の種類も多数。
■南東アナトリア
乾燥ナスと乾燥パプリカのドルマ
夏は非常に暑い地域のため、料理の多くに香辛料やハーブが入っているのが特徴。また、乾燥野菜を使ったドルマも多種あります。このエリアに属すガージアンテップという町はトルコで一番料理がおいしい町として有名で、イスタンブールのケバブ店のほとんどがガージアンテップ出身だと言われているほど。ガージアンテップではどの店に入っても外れがないので、是非足をのばしてもらいたい町の一つです。
■東アナトリア
新鮮な肉が決め手のジャーケバブ
トルコの遊牧民的な料理要素を今でも守っている地域。巣のままのはちみつ、チーズ、山で育った羊や牛の新鮮な肉など、オーガニックな素材が豊富です。オーラックと呼ばれる子ヤギの肉の料理、サフランとエジプト豆を使った肉料理ピティ、横向きにしたドネルのようなジャーケバブなどが有名で、この地域に来ないと食べられない料理もたくさんあります。
■黒海地方
黒海名物、ハムシピラウ
同じ海岸沿いの町でも、地中海・エーゲ海のシーフードとはかなり違った趣がある黒海料理。魚をトウモロコシ粉などにまぶして油で揚げ、レモンをかけて食べる、という素朴な料理が多いです。特にカタクチイワシがよく採れ、これと米を一緒に炊きこんだハムシピラウが有名。トウモロコシ粉を使ったトウモロコシパンや、黒キャベツを素材にしたドルマやスープなどもこの地域の郷土料理です。