今回は、NPO法人オーガニックコンシェルジュ協会理事であり、第一号のオーガニックコンシェルジュとして多方面でご活躍中の岡村貴子さんにお話を伺いました。
オーガニックとの出会い~夢への一歩
岡村貴子氏。日本第一号のオーガニックコンシェルジュとして多方面で活躍。ライフスタイルとしてのオーガニックの素晴らしさを提唱している。 |
岡村さん:はい。オーストラリア滞在中に、ヒッピー村の人々と出会い、自然と共に生きる素晴らしさを知ったことがきっかけです。オーガニックとは「本質的な」「根本的な」という意味を持ちます。彼らは自然と共存すること、身体と環境に無理のない暮らし=オーガニックな生活を実践していました。夜でも星がきれいだから歩いて帰ろう。とか、気持ちがいいから太陽の光を浴びようとか。都会の暮らしとはかけ離れたオーガニックの世界感に強く共感しました。
ガイド:実際に生活をされたと聞きました。生活も思考も大きく影響を受けたことでしょうね。
岡村さん:半年間、ヒッピー村で生活しました。自然の中に生きることで、着飾らないありのままの自分と直面し、ほんとうに大切なものに気づくようになりました。すぐに大事にしていたヒールも必要ではなくなった(笑)。
「私はどんな人?どうしたら自分とはどういう人間か相手に伝わるのだろうか」と、存在価値を考えることも。結果的にコミュニケーションスキルが身について、自己アピールもうまくできるようになった。これも大きな収穫でしたね。
オーガニックの案内人として導くこと
オーストラリアにて。大自然の中たくさんのことを学んだ大切な時間。 |
岡村さん:帰国した当時、日本ではオーガニックという言葉は今ほど浸透していませんでした。オーガニックについて勉強したいと思っても、生産者や企業向けの情報がほとんどで、消費者向けの情報があまりにも少なかったんです。こんなに楽しくて素晴らしいオーガニックをもっと知ったり、それを広める手立てがないなら自分自身がその役目を担うことが出来たらなと思いました。
実際に商品を選択するのは私達消費者ですから、消費者が学べる機会を作らなければと。NPO法人を立ち上げ、インターネットを使った通信添削で行われるEラーニング、「オーガニックコンシェルジュ コミュニケーションラーニング」をスタートさせました。
ガイド:どんな学習内容か具体的に教えていただけますか?
岡村さん:オーガニックコンシェルジュコミュニケーションラーニングでは、有機JAS、有機栽培をはじめとする法律・専門知識はもちろん、衣食住全般のオーガニック情報の設問を課題とし、6週間でレポート形式で提出してもらいます。きまったテキストは用意しませんので、課題に対する解答・レポートを作成するには、受講者自身が課題に関する資料探しから始めなければなりません。賢い消費者になるためにも、自分で調べ、選択できる力を身につけてほしいと思っています。
現時点で、オーガニックコンシェルジュ認定講座の受講生は約700名に達しました。仕事に活かしたい・日々の生活に役立てたいと目的なさまざまですが、最近では、カフェや託児所などオーガニック関連の仕事を起業する方も多いです。
また、オーガニックは日々進化を遂げていますから、最新の情報を把握していくことが重要。オーガニックコンシェルジュ認定を受けた後も、知識のステップアップをするため、常に新しいアンテナをはりめぐらせてほしいですね。
次ページでは岡村さん自身のオーガニックコンシェルジュとしての活動をお伺いしています。