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「有機」と「有機JASマーク」のホント(3ページ目)

有機○○、オーガニック○○。これらを表示するための法律や基準を知っていますか?今回は有機JASマークの基準、有機食品の定義についてご紹介します。特別栽培と有機栽培の違いなど、食品表示の謎が解けるかも?

執筆者:山本 なほ

「有機」と「無農薬」の違いは?

果物
店頭の商品表示は曖昧なものも多い。
よく見かける「無農薬」や「減農薬」の表示について考えてみましょう。「有機」とどのような違いがあるのか、ポイントをご紹介します。

■「有機」
「有機」ガイドラインを満たし、登録機関から有機JASマーク認定を受けたもの。化学肥料を使用しないことが基本とする。しかし状況によって認められた約20種類の農薬の使用が許可されている。

■「無農薬」と「減農薬」
作物を栽培しているときだけ、化学肥料を使用しない農産物も含む。例えば、化学肥料を使用していた土壌で、ワンシーズンだけ有機肥料で作物を作ったとしても「無農薬」と表現できる。農林水産省の「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」では「無農薬栽培」「減農薬栽培」という表示の全てを禁止し、「特別栽培」に統一しなけらばならないとしている。

意外と知られていないのが、「有機」は国が認める約20種類の農薬について許可されていることです。しかし、規律に基づいているため安全性は比較的高いと言えます。一方「無農薬」「減農薬」は、ガイドラインはなく農薬の扱いについての基準があいまいです。厳密な審査がないため安全性に欠けると言えます。

それでも「無農薬」「減農薬」という曖昧な表示がなくならないのは、違反の罰則がゆるいから。不正者への指導程度にとどまるのが現状のようです。もし、表示を正していない農産物を見かけたら、「どのくらい信憑性があるのか?」と疑問を持ってよいでしょう。

有機生産量は0.17%という現実

現在日本の有機生産量は全生産量の0.17%と低いです。有機食品は「価格が高い」「手に入りにくい」という流通問題は当然と言えます。普及率を上げられないのは、審査、認定費用の金銭的負担を生産者に課していることが理由の一つ。認定維持費用や、審査ごとに費用がかかる制度の見直しも必要だと思います。

この数年で有機JASの不正表示問題が続出したため、農林水産省の検討会は審査マニュアルの統一化を目指すべく議論を重ねています。いま以上により信頼できる、分かりやすい制度を期待したいですね。私達消費者も、食の知識をつけて表示を賢く見極めることが今後の課題となりそうです。


【 関連リンク 】
農林水産
平成18年度の有機格付実績
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※衛生面および保存状態に起因して食中毒や体調不良を引き起こす場合があります。必ず清潔な状態で、正しい方法で行い、なるべく早めにお召し上がりください。また、持ち運びの際は保存方法に注意してください。

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