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慶応義塾大のここがすごい!(2ページ目)

2006年に共立薬科大との統合を発表し、2008年どから薬学部を開設する。私立トップの医学部と薬学部、また医療看護学部まで有する慶応義塾大は今後どこへ向かおうとしているのだろうか。

吉田 敦彦

執筆者:吉田 敦彦

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21世紀の慶応義塾大は少数精鋭を目指す

1858年(安政5年)に福沢諭吉が蘭学塾を開いたのが慶応義塾の始まりだ規模で見ると慶應義塾大は学生数32,191人で教員数1,402人。教員一人当たりの生徒数は約23人。30名~40名という私立大学が多い中ではかなり充実している。常に比較対象になる早稲田大は学生数54,083人で教員数1,474人で、教員一人当たりの生徒数で約37人となっている。慶応義塾大は拡大路線をとっている早稲田大とは違う方向性を模索しているようだ。

教育改革の度合いを図る一つの指標として、文部科学省が行っている「特色のある大学教育支援プログラム」がある。慶応義塾大は平成15~19年度で計6件(共同プロジェクト1件を含む)の取り組みが採択されている。全国の大学で唯一5年連続で採択されている状況を見ればその優秀性がわかるだろう。

1858年(安政5年)に開学し、2008年に創立150周年を迎える慶應義塾大の掲げる理念は「先導」(新しい分野を切り開き、日本及び世界を牽引して行くこと)と呼ばれている。そしてこれを発展させたものが「21世紀のグランドデザイン」だ。これは創立者の福沢諭吉の「全社会の先導者たらん」の教えを発展させ、6つの点での「先導」を提唱したものだ。つまり「教育先導、学術先導、新実業先導、知識・スキル先導、知的社会基盤先導、キャンパス環境先導」である。以前から進めてきた大学改革を更に推し進め、研究分野で日本を牽引し新しい実業の世界を切り開くという。政財界に広く人脈がある大学らしい現実的な視点だ。

素晴らしい伝統があればそこからなかなか新しい風は吹かないものだ。しかし、慶応義塾大にそのような杞憂は必要ない。慶応義塾大は伝統を生かしながらも、21世紀も日本の教育界を牽引していくだろう。




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