私立大学の倍率に右往左往するな!
倍率を見たら唖然……としてしまって、やる気をなくす受験生もいます。しかし、これは公然の秘密ですが、実際は私立大学はどの大学も一般に定員の生徒だけを取っているわけではありません。定員の数倍は取っておかないと、他の大学(他の私立大学や国公立大学)に逃げてしまうからです。これを歩留まり率(合格者中何パーセントが入学するか)と一般に呼んでいます。通常は製品の場合に使われる言葉ですが、実際に入学してくる生徒の数を予想して多めに合格者を出しておくわけです。定員50名の学部が100名の合格者を出した場合、実際に入学してくる生徒、つまり歩留まり率を50%と予測していたことになります。各大学のホームページで、大学の考えていた歩留まり率がどの程度かを見ることができます。
たとえば2006年度慶応義塾大学の文学部を見てみましょう。募集人員580人に対して、受験者数3705人で、入学許可者数(合格者数、補欠含む)は1113名でした。つまり歩留まり率を約52%と大学は予想していたことがわかります。おおよそ定員の倍は取ってくれているわけです。
ある私立大学の法学部のセンター利用の募集人員が30名だとしても、大学によって実際はその数倍から十数倍の範囲で多く取っています。本試験で取る人員とセンター利用の比率も大学によって違います。本試験でほとんどの生徒を取る大学もあれば、センター利用で多く生徒を合格させる大学もあるわけです。また、この点については一般に各大学のオープンキャンパスで大学当局から説明されているはずです。
ほどんどの私大では科目間点数調整をしている
科目間での点数調整(たとえば、地理と世界史であまりにも平均点に開きがあった場合それを調整する)はほとんどの大学で行われています。ただし、その方法や、実体はあまり表に出てこないのでわからないのが普通。だから、安心して受験していただいたほうがいいでしょう。目先の倍率だけを見て、出願大学を決めるのは危険です。続きはコチラからどうぞ。
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