今回ご紹介するのは京都『常照皇寺』の天然記念物の桜。京都市街の桜が終わるころに花開く名残の桜景色です。古都の桜を楽しんだ後は、老舗の美食をどうぞ。
天然記念物の
長寿桜に会いに行く
天然記念物『常照皇寺』のシダレザクラ。例年4月の中旬に満開を迎える。 |
ヤエザクラやシダレザクラ、ヒガンザクラなど、様々な桜が古くから愛されてきた。
一般的には桜の寿命は数百年と言われるが、中には、樹齢1000以上と言われ、天然記念物に指定されている古木もある。
気が遠くなるような年月を、同じ場所で過ごし、毎年咲き続けてきた桜……。
そんな長寿桜に敬意を表して、その花を愛でに行けるのもこの時期だけ。
名残の花景色を求めて
北山杉で知られる京の山里へ
京北は京都の北のはずれ。90%以上が山という緑豊かな地域。 |
『常照皇寺』の九重桜。
京に桜名所は数々あれど、実は市内中心部には天然記念物の桜は無い。あるのは京都市のはずれ、旧京北町の『常照皇寺』だ。『常照皇寺』は貞治元年(1362)年に、光厳天皇が開いたという古刹で、天然記念物の『九重桜』は、法皇お手植えと伝わることから、樹齢650年前後といわれている。
その名前に、ヤエザクラの一種かと思いきや、花は一重のシダレザクラ。
法皇の后"九重の君"が名前の由来なのだ。境内にはほかに、御所から植え替えた『左近の桜』、八重桜と一重の花が同じ枝に咲く『御車返しの桜』という、桜好きに知られた2本の桜もある。
■常照皇寺の九重桜【京都・右京区】
昭和13年8月8日 国指定天然記念物
種類/シダレザクラ
樹齢/推定650年
アクセス/JR京都駅から西日本バス『周山行』で約1時間20分、終点からタクシーで約15分(台数が少ないので予約するのが確実。周山タクシー 電話0771-52-0109)
名神高速京都南ICから国道162号経由で約1時間30分
名残の桜を楽しんだ後は新緑の貴船で老舗の川魚料理を。次ページでは『貴船ふじや』をご紹介します。