寺・神社/京都の寺・神社

京都の紅葉はここが穴場だ!その2.洛北編(4ページ目)

京都の紅葉は美しいが混雑しすぎ!しかし混むのは主に市の中心部にあるスポットで、少し離れると、それほど人出が多くないところもあったりします。今回は、洛北に点在する穴場のお寺をご案内。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド

大原のさらに奥にある
阿弥陀寺

急な石段を上り詰めたところにある阿弥陀寺
蓮華寺の前の道には、大原方面に向かうバスが走っています。これに乗って終点の大原で降りたら、皆さんが向かう三千院方向ではなく、さらにその道を歩いてください。しばらく行くと、左手に中国風の面白い門があります。これが、小知谷の阿弥陀寺の山門です。

小知谷へは、バスもあることはありますが、本数は少ないです。大原バス停からはかなり距離があるので、歩くのがどうしても嫌な方は、前夜は大原の民宿に泊まってレンタサイクルを借りるなどの手もあります。が、中国風の山門から阿弥陀寺の境内に行くには、どっちみち急坂を歩かねばなりません。かなりきつい坂ですが、登ったかいのある別天地のようなところです。

別天地のような静寂を
お楽しみください

こちらのお寺は、かなりな寺通しか知らないため、紅葉の最盛期でも、訪れる人はまばらです。平日には、地元をよく知るタクシーの運転手さんのお勧めで来る方々が少しいるくらいでしょうか。観光シーズンの京都で、こんな静けさを味わえるなんて、ものすごく得した気分ですね。
静けさの中、ゆっくりと日が傾いて行く
これだけ人里離れたところなので、ご由緒もすごいです。昔、弾誓上人というお坊さんが諸国を旅して修行しました。その方の修行ぶりはたいへんハードなもので、長期間、飲まず食わずで洞窟にこもったりするものでした。

以前、このコーナーでご紹介した箱根の阿弥陀寺とこちらは兄弟寺です。名前が同じというだけではなく、その弾誓上人は、ここ、古知谷に来る前に箱根の阿弥陀寺で修行し、最後にこちらに来て、洞窟で生きたまま即身仏になられたのです。即身仏とは、つまりミイラのことで、実は、このお寺には、その方のミイラも祀られています。そんなことを知ると、ますますこのお寺が、この世離れした場所に思えてきます。

●箱根の阿弥陀寺の記事はこちらです。そういえば、風景も似ていますね。こちらでは、謎のお坊さんが琵琶を弾いて聞かせてくださいます。
ここにもやっぱり、よい石仏があった

やっぱり石仏

わたしの大好きな如意輪観音
こちらにもよい石仏があります。五体並んだ石仏は、五智如来と言って、密教の根本仏である大日如来が備える五つの知恵を五体の仏像に当てはめたものです。あごの下に手を置いて考え事をするのは如意輪観音。穏やかで考え深い表情が素晴らしく、石仏マニアのわたしが選定する「京都の石仏ベスト10」にランクインしています。

次のページは、さらに奥に行ったところにある興聖寺です。ここはもう滋賀県です。歩きや自転車ではちょっときついので、車でお出かけください。
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