コツと言っても
基本は自由に歩くだけ
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かわいい小坊主さんが出迎えてくれます |
今日は、「心遍路」という、お遍路の楽しさを広く普及するために設立されたNPO団体の人々と一緒に歩きます。彼らは、いわばお遍路の専門家なのですが、だからと言って、本格的な修行のように、規律正しくすべて歩こうなどとはあまり思っていない様子。今日は小雨模様なので、とっととバスに乗って、二十一番の寺である観音寺に向かいました。
毎月一度、1日に数ヶ所の寺を巡っているので、前回歩いたところは、今日は別に歩かなくてもいいじゃん。そのへんの臨機応変さが好ましいですね。誰に強制されるものでもないですから、四角四面に考えず、晴れの日は晴れなりの、雨の日は雨なりのペースで歩けばオッケーです。
般若心経をあげ
ご朱印をいただきます
しかし彼らは、お参りだけは、お作法にのっとって、きっちりします。まずは、一番短くて仏教の教えが凝縮されているという般若心経を、全員で唱えます。これも別に強制されることではありませんが、わたしは、声に出して般若心経を唱えるのが好きです。難しいので意味はあまりわかりませんが、それでも、おなかから声を出すのは気持ちがよいですからね。
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般若心経は、声に出して唱えるだけで功徳が積めます |
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ご朱印帳を示す心遍路の福本さん |
ご朱印は、専用のご朱印帳というものに、墨で寺の名前やご本尊の名前などを書き、その上に、朱印を押していただくものです。ご朱印帳は、お寺の納経所で売っていますので、はじめのうちに買っておくとよいです。
ご朱印は、お経を上げた、あるいは、写経をして奉納したことのしるしとしていただくものですから、単なるスタンプラリーとは違います。しかし、お遍路の最大の楽しみはご朱印帳をうめることだという人もいるほど、ご朱印集めは人気なのです。
錦絵の絵馬を見ると
お寺の由緒がわかる
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秩父の観音霊場には、各寺に、このような絵馬があります |
秩父三十四ヵ所のお寺は、皆、観音様がご本尊です。しかし、どこも秘仏になっていて、特別なご開帳のときしか、ご対面することはできません。しかし、秩父の寺には、それ以外にも面白いものがあります。それは、お堂の外側のどこかに必ずある、お寺の由緒を描いた絵馬です。錦絵風の絵に、ちょっとしたお話がついています。秩父の寺は、それぞれに面白い物語を秘めているので、これも写真に撮って、あとで各寺のものを比較すると楽しいです。
次のページでは二十二番の寺と二十三番の寺を巡ります。