お遍路は、
実は四国だけではない

秩父の巡礼道は、江戸時代以来の古道です
お遍路とは、真言宗を開いた弘法大師の出身地である四国で、弘法大師ゆかりの寺、八十八ヵ所を巡る巡礼の旅のことを言います。しかし、実は四国以外にも、お遍路コースはたくさんあります。四国の次に有名なのは、関西の観音様の寺を巡る「西国三十三ヵ所」で、これには、京都や奈良の有名な観光寺も、多く含まれています。

次に有名なのは、秩父の三十四ヵ所と、神奈川や東京、茨城など南関東を中心とした坂東三十三ヵ所です。西国、秩父、坂東の三つのコースを合わせると、観音様の寺を百カ寺巡ることになり、これをすべて完了すると、たいへんなご利益があるとされます。

今回は、東京からハイキング気分で行ける埼玉県秩父の三十四ヵ所のうち、二十一番から二十五番の五つの寺を巡ってみます。お遍路は、何も一度にすべての寺を回らずとも、このように少しずつ巡って行って、最終的に、最後の寺に着けばいいのです。だから、気軽にチャレンジしてみてくださいね。

まずは形から入ろう

遍路の装束と杖を借りて出発
お遍路デビューは、まず形から。駅前の「彩の国ふるさと秩父観光情報館」では、お遍路さんの装束一式を800円でレンタルできます。装束は、笠、背中に「南無観世音菩薩」と書かれた上衣、ご朱印帳を入れる袋です。

これを着ていると、まず、自分がその気になれるという大きな利点があります。お参りをしているのだという自覚が出てくるし、ご利益も倍増しそうな気がします。また、お遍路文化が浸透している四国では、ひと目でお遍路さんとわかる装束の人には、「ご接待」と言って、地元の人が食べ物などをくださる風習があります。ここ秩父では、まだそこまでは行っていませんが、お寺の方などに親切にしていただける可能性は高いですね。

杖も忘れずに借りてください。秩父三十四ヶ所は、町場の寺も多いのですが、ちょっとした山登りになる寺もいくつかあります。その際、杖があるのとないのでは、かなり違うということを、わたしは身をもって実感しました。特に小雨の日などは、足場が悪いので、必需品。

二十二番の童子堂は、なかなかいい雰囲気のお寺です


次のページではまず二十一番のお寺に行って、秩父遍路のコツを学んでみましょう。