大黒天護国院は隠れた江戸建築
護国院には、本堂のほかに神楽の舞台もあります |
お堂内部に入ってお参りすることもでき、その大黒天を拝めます。これは、学生時代以来の仏像ウォッチャーであるわたしの目から見てもなかなかのもの。ほかにもよい仏像がいくつかあります。境内は狭めですが、訪れる人も少なく、よい桜の木もあって和めます。
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■大黒天護国院
・所在地:東京都台東区上野公園10-18
・交通・アクセス:JR山手線鶯谷駅徒歩12分
・地図:Yahoo!地図情報
・TEL: 03-3821-3906
寛永寺本堂は川越育ち
寛永寺にも、素晴らしい桜の木が多いです |
なぜ喜多院からお堂を移築したか。それは、天海僧正が、もともとその喜多院の住職さんであったことや、その天海僧正を父のように慕って何かと頼りにしていた徳川三代将軍家光さんが喜多院で生まれたことなど、寛永寺と徳川家に深いとゆかりがあるから。上野戦争のときに、寛永寺はすっかり燃えてしまったので、喜多院が、本堂をプレゼントしたというわけです。ここには、威風堂々とした建物に似合う素敵な桜の木がありました。
寛永寺の威風堂々とした本堂 |
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■寛永寺
・所在地:東京都台東区上野上野桜木1-14-11
・交通・アクセス:JR山手線鶯谷駅徒歩5分
・地図:Yahoo!地図情報
・TEL: 03-3821-4440
浄名院は石地蔵の寺
その寛永寺のはす向かいあたりに、見渡す限り石の地蔵が並ぶ浄名院があります。ここは、徳川四代将軍家綱さんのお母さんの菩提寺として建てられました。たくさんのお地蔵さんは、民衆の救済のために、明治初期から建立されはじめたもので、今も増え続けています。全部で八万四千体あると言うけど、本当かな?浄名院の桜は、どこか淋しげな風情があります |
お地蔵さんは優しい仏様ですが、石仏が並ぶ風景はどこかもの淋しいものです。桜も、咲き誇ったとたん、一瞬にして散ってしまうことから、死のイメージで捉える文学者もいます。「願わくば 花の下にて 春死なん その如月の 望月のころ」と詠った歌人、西行の気持ちが何となくわかる花景色です。
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■浄名院
・所在地:東京都台東区上野上野桜木2-6-4
・交通・アクセス:JR山手線鶯谷駅徒歩10分
・地図:Yahoo!地図情報
・TEL: 03-3882-2791
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