京都は冬に行くのが一番
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冬の京都は、八坂の塔周辺のようなメジャーな場所でも、比較的人が少なく、歩きやすくていいですね |
京都は、桜や紅葉のシーズンがいいけれど、ちょっと混雑しすぎるのが困りもの。桜や紅葉は他の場所でも見られますので、京都はオフシーズンに行って、静かな風情を味わうのがいいと思います。特に冬場は、ぐっと人が少なくなるし、この時期限定で特別公開される寺や文化財があるのでお勧めです。京都の冬はかなり寒いですけれど、防寒下着をばっちり着て行けば、油照りの真夏よりは、楽に歩けますからね。
京都の宿は宿坊に決まり
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紅葉の時期は大混雑する真如堂も、冬はこんなに静か。この奥にも、真如山荘というお勧めの宿坊があります |
これは冬に限ったことではないけれど、京都の宿泊施設で、このごろひそかな人気になっているのが宿坊です。宿坊とは、簡単に言ってお寺に併設された宿のことです。「寺に泊まると、雑巾がけとか坐禅とか、面倒なことをやらされるんだろ」と思う人が多いでしょうが、それは大きなカンチガイ。そういうのは、特別な修行体験コースが用意されている寺のみで行われることで、一般的な宿坊の場合は、門限や消灯などが少し早い以外は、普通の宿とさほど変わりません。
素泊まりなら4,000円くらいから、一泊二食でも7,000円ぐらいからと、安いのも宿坊のウリのひとつです。そのわりには部屋も広く、中にはちょっとした旅館なみに施設が整ったところもあるので、ビジネスホテルの狭い部屋に泊まるより、断然よろしい。
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宿坊では、坐禅や勤行以外にも、さまざまな仏教カルチャーを体験できます。これは、妙心寺の塔頭、東林院の精進料理教室で作るメニューです |
朝の勤行は、多くのところで出席することを奨励されますが、これも、たいていの場合、ただ座ってお経を聞くだけのことで、特別に何かを要求されるわけではありません。その寺がどの宗派に属しているかにもよりますが、中には、「こんな面白いパフォーマンスをただで見せてもらっていいのか」と思うほど充実した勤行もあります。いずれにせよ、日常の暮らしでは体験できない伝統文化なので、話のタネに出席してみることをお勧めします。
ちなみにわたしはそのへんから寺と仏教の面白さにハマり、ついには、寺旅&仏教文化研究家として、寺巡りを仕事にするまでになったのです。その経緯は、
拙著「お寺に泊まる 京都散歩」(新宿書房刊)にも詳しく書いたのですが、寺や宗派ごとに違う勤行の話は、おいおいこのコーナーでも紹介していくとして、今回は、「一般的な京都の宿坊の選び方、使い方」をご説明します。
ためしに一度宿坊に泊まってみたいと思った方は、
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