通夜・葬式の弔問マナー/通夜・葬式の弔問マナー

突然の訃報…親しい人や知り合いが急に亡くなったら、まずすること

親しい人や知り合いの突然の訃報、または危篤の知らせを受け取ったとき、どのように対応したらよいでしょう? 通夜の前に会いにいく際の服装や、遺族へのお悔みの言葉、供花や供物、電報の贈り方などの対応法を解説します。

吉川 美津子

執筆者:吉川 美津子

葬儀・葬式・お墓ガイド

突然の訃報を受けたら、遺族のサポートをしながら故人を静かに見送る

突然の訃報…親しい人や知り合いが急に亡くなったら、まずすること

訃報を受けた後のマナー


親しい人の突然の訃報……遺族のサポートをしながら静かに見送るのが基本。信じたくない気持ちもあるでしょうが、故人を上手に思い出しながらお別れをすることが次へのステップにつながります。  

知り合いや親しい人の危篤の知らせを受けたら

病院によっては本院、分院、第1、第2など建物が分かれている場合がありますので、行き先の住所と電話番号を確認しておきます。

病院によっては本院、分院、第1、第2など建物が分かれている場合がありますので、行き先の住所と電話番号を確認しておきます。

危篤という状況に直面したとき、家族は非常に動揺しています。一時も本人と離れたくないと思いながらも、親戚や親しい人への連絡係を務めなければなりません。
このような局面にある家族から危篤という知らせを受けるということは、「できるだけ命のあるうちに会ってあげてほしい」という願いが込められていることがほとんど。可能な限り駆けつけたいものです。

危篤の電話は緊急事態ですから、長電話は絶対に×。駆けつける場所は「自宅」か「病院」かを確認。病院の場合は病院名だけでなく所在地や電話番号、部屋番号なども確認します。

●服装は?
危篤の場合は一刻を争いますから、普段着でかまいません。

●何と言葉をかける?
人間は、危篤になっても耳からの情報が入ってくると言われています。本人の耳元で素直に出た気持ちを言葉にしてみましょう。きっと思いが届くはず!
 

突然の訃報…知り合いや親しい人が亡くなったという知らせを受けたら

故人と付き合いが深い人なら、亡くなった直後に遺族から「会ってやってください」と声をかけられることもあります。その場合、「安らかなお顔ですね」など遺族へいたわりの言葉をかけて。

故人と付き合いが深い人なら、亡くなった直後に遺族から「会ってやってください」と声をかけられることもあります。その場合、「安らかなお顔ですね」など遺族へいたわりの言葉をかけて。

大切な人を亡くしたばかりの遺族は、通夜・葬儀の手配と準備、親戚や知人への連絡等でバタバタしていて、故人と向き合って悲しむ間もありません。そんな時にあわてて駆けつけては遺族の足手まといになってしまう可能性もありますので、通常はお悔やみの言葉を述べ、通夜・葬儀の日程を聞く程度に留めます。

しかし、とくに故人と付き合いが深い場合は、通夜より前に駆けつけてもかまいません。その場合は、遺族の負担にならないよう、事前に都合が良い時間を聞いたうえで、あまり長居しないように心がけます。

●服装は?
普段着でかまいません。着替える時間があれば、シックなカラーでまとめたほうがベター。喪服は葬儀の際に着用するものですから、この場合は×です。

●遺族への挨拶は?
心をこめて「このたびはご愁傷様でございます。」と声をかけます。
「ご愁傷様……」という言葉は、「よそよそしい」「わざとらしい」と感じる人が増え、最近ではあまり使われなくなりました。しかし、故人を悼む最上級の言葉に違いはありませんので、まずはきちんと伝えることがマナーの基本。
忌み言葉を避けるようにする習慣もありますが、あまりこだわりすぎるより、自然な言葉で気持ちを伝えるほうが良いでしょう。
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●持参するものは?
取り急ぎ駆けつけるわけですから、何も持参しなくてOK。それでも「気持ちを形にしたい!」と思うのが心情。その場合は、近所の生花店でお花を買って持参してみては。色がキレイな花、香りのいい花、季節を象徴するような花……故人への思いを込めて簡単にアレンジしてもらいます。
線香を持参するのも良いですが、1000円~1500円分の線香が枕飾りセットの中に含まれている場合がありますので、少量でも質の良い線香を持参したほうがいいかもしれません。
 

突然の訃報後、供花(きょうか)を贈るとき

最近は洋花の供花も増えてきました。祭壇の統一感を出すためにも、施行する葬儀社を通じて注文したほうが無難です。

最近は洋花の供花も増えてきました。祭壇の統一感を出すためにも、施行する葬儀社を通じて注文したほうが無難です。

少し前まで供花といえば、菊の花が一般的でした。祭壇の両側に芳名札付きの菊のカゴ花が段々に置いてある光景を思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、最近の供花は必ずしも菊の花であるとは限りません。また祭壇も従来の白木祭壇ではなく、色とりどりの生花をメインにした祭壇や、キャンドルやオブジェをメインにしたデザイン祭壇もありますから、せっかく菊の花の供花を贈っても、祭壇に飾られないケースもでてきます。

供花を贈るときは、祭壇の統一感なども考えて葬儀社へ依頼するほうが良いでしょう。遺族に「お花を贈りたい」と言えば、連絡先を教えてくれます。

もし、どうしても好きな花をアレンジして贈りたいという希望があれば、祭壇にお供えするものではなく、枕飾りや後飾りにお供えする花として贈ってもOKです。
枕飾り……通夜・葬儀を迎えるまでに使用する仮祭壇こと。枕飾りで飾られる花のことを枕花(まくらばな)といいます。
後飾り……四十九日法要まで使用する仮祭壇のこと。遺骨や仏具、花をお供えします。


※地域によっては花環や樒(しきみ・しきび)を贈ることが一般的な場合もあります。習慣の違いがありますので、葬儀社へ確認のうえ手配をします。
 

突然の訃報をうけて、供物(くもつ)を贈るとき

供物を贈る習慣、品物などは地域によってかなり違います。缶詰や果物の盛り合わせを定番としているところもあれば、調味料を盛カゴにしている場合もあります。ほかに、お線香、干菓子などを盛カゴにしている地域もあります。供物を贈る場合も供花と同様、葬儀社へ依頼するほうが無難です。
 

突然の訃報後、電報を送る場合

メールの時代になった今でも、お悔やみを伝えるツールとして電報を使う人は多いようです。NTT(115)では午前8時から午後10時まで電報を受け付けています。
インターネットや(D-MAIL)からも電報を送ることができます。クレジットカードでの支払いか、電話料金と一緒の支払いかを選択することができます。

NTT東日本 D-MAIL
NTT西日本 D-MAIL

電報の中には、生花を添えるフラワー電報もあります。
※基本的にはアレンジ用の器で贈るそうですが、地域や斎場等の事情でスタンド式に変更になることもあるそうです。

NTT以外でも弔電は扱っています。詳しくは→こちらで。
 

突然の訃報をうけて、世話役を頼まれたら

世話役は喪主の代行です。失礼のないよう接客マナーを再確認!

世話役は喪主の代行です。失礼のないよう接客マナーを再確認!

世話役とは、喪主や遺族にかわって裏方として葬儀のお手伝いをする人のこと。昔の葬儀は、近隣の人が集まってお手伝いをするのがあたりまえでしたが、最近は葬儀社や関連業者のスタッフが動いてくれるので、お手伝いの人数も数人程度ですむことが多くなりました。
葬儀の規模が大きくなると、世話役の仕事は受付係、会計係、接待係、式場案内係、道案内係など多岐にわたります。しかし通常の個人葬の場合、2~5名くらいの世話役で受付係、会計係、接待係等を分担し、あとは葬儀社スタッフが補助する形になります。

世話役を頼まれたら、よほどの理由がない限り断ることはせず、快く引き受けましょう。通夜開式の1時間~2時間前にスタンバイをし、喪主・遺族、葬儀社と打合せをします。式が終わったら会計係は、通夜の後、葬儀の後、いただいた香典はその都度喪主に渡します。
 

突然の訃報後、自分の思いを伝えるにはどんな言葉を

故人へ伝えたかったこと、自分の思いを手紙に綴ってみましょう。故人と一緒に棺の中へ納めてお別れをします。

故人へ伝えたかったこと、自分の思いを手紙に綴ってみましょう。故人と一緒に棺の中へ納めてお別れをします。

最後に故人に伝えたいことがあれば、ぜひ手紙として思いを綴ってみましょう。一緒に過ごした日々のこと、故人への思い、伝えたいこと、絵や写真……内容はなんでもかまいません。自分の気持ちを素直に表現した手紙を書いて、それを遺族の許可を得て棺の中に納めます。棺とともに一緒に燃えてしまいますので、人目に触れるものではありません。
これは自分の思いを手紙に「吐き出す」ことによって、故人の死と向き合い、死を認識したという作業を無意識のうちに行っていることになります。つまり悲しみを克服する過程を一歩踏み出したということ。大切な人の死による心のダメージを克服するのにはまだ時間がかかりますが、まずは「死を受け入れてきちんとお別れをする」ことからはじめれば、少しでも心が軽くなるかもしれません。

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