葬儀・葬式/葬儀の形態

坂井泉水の音楽葬にみる最近の葬儀事情(2ページ目)

40歳の若さで亡くなったZARD坂井泉水さんの「偲ぶ会」が行われました。ZARDの楽曲が流れる中で献花が行われるスタイル。一般の葬儀でも、音楽は葬儀やお別れ会での演出には欠かせない存在となりました。

吉川 美津子

執筆者:吉川 美津子

葬儀・葬式・お墓ガイド

音楽葬の式次第

友人・知人に演奏をお願いするのも○。
友人・知人に演奏をお願いするのも○。もっと簡単に音楽を取り入れたい場合は、故人が好きだったCDを持参してみては。
坂井泉水さんのケースでは、喪主や葬儀委員長不在、セレモニーも行いませんでしたが、これは稀なケース。坂井さんはすでに密葬を済ませていましたので、「偲ぶ会」では決められたプログラムで進行するセレモニーよりも、少しでも多くの人がお別れできるフリースタイルにしたのだと考えられます。

一般の人が葬儀に音楽を取り入れる場合はどのように行ったらいいでしょうか。

「自由葬」「無宗教葬」といわれる「特定の宗旨・宗派にとらわれない葬儀」を行う場合は、ゼロから自由にプログラムを作って進行することができます。とはいっても、だいたい決まったパターンになっていて、「黙祷」→「献奏」→「献花」→「お別れ」→「遺族挨拶」→「出棺」という流れがほとんどです。

●「自由葬」「無宗教葬」の葬儀・告別式次第例

11:00 黙祷。友人によるギター生演奏
11:10 生演奏を聞きながら故人の写真スライド上映
11:20 友人による故人へのメッセージ
11:30 献花スタート
11:40 生演奏を聞きながらお別れ
11:50 喪主挨拶
12:00 火葬場へ向けて出棺

「自由葬」「無宗教葬」が増えてきたとはいえ、まだまだ微増にすぎません。日本人の約90%の葬儀は仏式で執り行われています。仏式葬儀でも音楽葬をとりいれるには……ズバリ開式を30分早めてしまうこと!宗教儀礼が始まる30分に開式してしまい、故人が好きだった音楽を流したり、参列者同士で思い出を語ったり……そんな自由な時間をつくってしまうのです。

●「仏式」に音楽を加えた葬儀・告別式式次第例

10:30 友人によるギター生演奏
      &故人の写真スライド上映
11:00 僧侶入場(読経)
11:15 友人による弔辞
11:20 焼香スタート
11:40 僧侶退場
11:40 生演奏を聞きながらお別れ
11:50 喪主挨拶
12:00 火葬場へ向けて出棺

仏式の葬儀は11時~11時40分。その間は各宗派の作法に基づいた式次第になりますが、その前後のアレンジは基本的に自由。だから僧侶入場までの30分間、ギター生演奏やスライドを上映しても問題ないわけです。

また、開式を1時間早めて、最初の一時間は宗教儀礼、後半の1時間は、故人とゆっくりお別れをする場として、音楽を聴きながらコーヒーやワインでおもてなしをし、その後火葬場へ向けて出棺というパターンだってOK(この場合は、おそらくワイン葬とかティーセレモニーとか言われてしまうのでしょうけど)。押さえるべきところをきちんと押さえておけば、さまざまなアレンジが可能です。

「音楽葬ができないケース」「使用する音楽について」は次ページで。
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