温泉/温泉を楽しもう

温湯の温泉は季節を変えて二倍楽しむ!(2ページ目)

湯の温度が低い温湯の温泉は、季節毎の良さを特に感じる温泉。暑い時期には適温に、寒い時期には超温湯となり、訪づれる度に異なった湯の印象が得られるのです。今回は季節毎の温湯の楽しみ方を紹介します!

藤田 聡

執筆者:藤田 聡

温泉ガイド

旭岳温泉湯元湧駒荘は、時間を忘れる温湯!

旭岳温泉湯元湧駒荘ユコマンの湯
旭岳温泉湯元湧駒荘ユコマンの湯。源泉湧出地帯をそのまま内湯に取り込んだワイルドな風情に驚愕。
横向温泉中の湯旅館の話とは逆のケースになりますが、真冬に行っていきなり感動した温泉もあります。

旭岳温泉湯元湧駒荘は、二つの素晴らしい浴場があると聞いていた温泉。日替わりで男女交代するので、日帰りでも二日連続で行けば両方確かめられます。しかし、北海道の旭岳温泉に二回行くのは、なかなか大変。泊まれば両方を十分に堪能出来ますので、急遽泊まることにしました。

まずは浴室の見取り図をご覧下さい。到着した日に男湯だったのは、右側のユコマンの湯。こちらは相当に大きな大浴場が特徴です。源泉が湧いている一帯をそのまま取り込んだようで、大きな岩も多数あり、その背後から温泉が湧いているようでした。他に類を見ない驚愕の風情です。

次に驚くのは、多数ある浴槽の温度。入り口のドアに湯船毎の温度が掲示されているのですが、ユコマンの湯は一つの湯船を除いて、温度が40度未満で中には33度の表示もありました。じつは私が訪づれたのは真冬。真冬の北海道なのに、30度台の温湯で満足出来るのだろうか?大変に心配になりましたが、杞憂に終わりました。北海道の温泉旅館らしく、全館に暖房が行き届いているせいもあると思いますが、温湯が実に気持ちよく感じられたのです。

その上、湯船毎に湯温が異なるだけでなく、源泉が異なる為、泉質も微妙に異なります。その主体は貴重な正苦味泉。正苦味泉とはマグネシウム硫酸塩泉ですが、日本でも数箇所しかない貴重な温泉。名湯を存分に堪能出来る大浴場でした。

旭岳温泉湯元湧駒荘シコロの湯
シコロの湯にはワイルドさは無いが、良い湯を存分に堪能出来、満足して時間を忘れる程。

真冬のシコロの湯露天風呂。雪の壁が湯船に迫り、埋もれる寸前という状況で、大自然の猛威に驚かされる。浴室は毎日21時に男女交代し、男湯は左側のシコロの湯になりました。こちらの浴室でも複数の源泉に浸かることが出来ました。

本当は両側の浴室に露天があるのですが、雪に埋もれている為、冬はシコロの湯の露天のみ営業しています。それにしても、雪の量が半端ではありません。塀と屋根の間の空間にも大量の雪が入り込んでおり、まるで雪のカマクラのよう。厳冬期の北海道の山岳温泉であることを思い知らされる、貴重な経験が出来ました。

翌朝もシコロの湯のフレッシュな温湯を、時間を忘れて堪能します。じつは余りにも満足して本当に時間を忘れてしまい、危うくチェックアウト時間に間に合わない所でした。嘘のような本当の話とは、このこと。それ程までに、素晴らしい温湯の温泉なのです。

宿泊して両方の浴室を存分に堪能しましたが、雪に埋もれていたユコマンの湯の露天風呂が気になって仕方ありません。暖かい時期には、お湯も違って感じるかもしれません。今度はそうした課題を念頭に、雪の無い季節にも泊まってみたいと思っています。

■交通アクセス情報
  • 旭岳温泉湯元湧駒荘
  • 住所 北海道上川郡東川町勇駒別
  • 電話 0166-97-2101
  • 日帰り入浴 800円(別館10:00~19:00。本館は1,500円で13:00~17:00)
  • 旭川空港から車で約45分
  • Yahoo!地図
→次ページでは、伊豆の意外な温泉民宿を紹介します!>>>
シコロの湯露天風呂
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