偏差値の出し方と通知表(内申点)との見方とは?
そもそも偏差値って何?その出し方は?高校受験での実力を測る指標の一つ偏差値。通知表(内申点)との関係について紹介します。
そんな時に、役立つのが偏差値という指標です。偏差値の出し方と内申点・通知表との関係について解説します。
<目次>
偏差値とは 集団の中でどれくらいの順位かが分かる"ものさし"
偏差値とは、集団の中での良し悪しの目安となる数値であり、「50前後ならば普通」「60より高ければ良く」「40より低ければ悪い」となります。つまり偏差値とは、平均点に関係なく良し悪しが分かるものさしなのです。
偏差値以外によく聞く、似た言葉に、
- 平均点:得点の合計を受験者の人数で割ったもの
- 標準偏差:得点の散らばり具合を示したもの
偏差値の出し方(求め方)はちょっと複雑で、得点から平均点を引き、そこへ10をかけたものを標準偏差で割って、50を加えて求めます。確かに分かりづらいですので、これ以上はここでは割愛することにします。
偏差値は良し悪しの目安となる反面、落とし穴も
何かと悪者扱いされる偏差値ですが、それは偏差値の高い学校=良い学校、偏差値の低い学校=良くない学校という、漠然としたイメージがあるからでしょう。確かに、東大は入試偏差値で最高値をキープしているからすごいというのは分かります。しかし、東大の魅力は入試偏差値ではありませんし、それ以外の大学が劣っているかと言えば、必ずしもそうではありません。東大以外にも素晴らしい大学はたくさんあるのです。それは高校でも同じです。
偏差値はあくまでも集団の中でどれくらいの順位にいるかが分かる、いわばものさしの一つに過ぎません。ですから、偏差値を絶対視しないことが大切です。
通知表と偏差値の関係は、絶対評価で大きく変わった
もともと通知表は、この偏差値の考えをもとにして評定の割合が決められていて、「1」がクラスの7%、「2」が24%、「2」が38%、「4」が24%、「5」が7%となっていましたところが、この関係が2002年度のゆとり教育以降、崩れます。
偏差値と通知表の評定の見方は、相対評価ではおおよそ偏差値35までが「1」、35~45が「2」、45~55が「3」、55~65が「4」、65~が「5」となっていました。しかし、現在は、通知表のつけ方が変わっているので、このような見方ができません。
現在の通知表は、「絶対評価」と呼ばれるつけ方になっていて、「1」や「5」といった評定の割合が決まっておらず、通知表の評定から偏差値が分からないのです。
「内申オール3」=偏差値50ではない!
まずは、下の表を見てください。偏差値と通知表の比較表。1や2の割合が減り、代わりに4や5の割合が増えている。昔はオール3が真ん中だったのが、今では、真ん中より下になるので注意。
この表は、偏差値と通知表の評定(上段:相対評価、下段:絶対評価)の割合を比べたものです。以前のつけ方である相対評価の通知表の評定は、「5」が7%、「4」が24%と決まっていました。
ところが、現在の絶対評価の通知表の評定は、「5」の割合が7%→約13%、「4」の割合が24%→約32%へと増えており、逆に「1」の割合は7%→約3%、「2」の割合は24%→約20%へと減っているのです。
つまり、相対評価の時と比べて、今の通知表は評価が甘くなっているのです(絶対評価の評定の内訳は、ガイドが独自に推定)。
この結果、かつては「オール3(=内申点27)」が真ん中だったのが、今では内申点30くらいが真ん中になっています。「うちの子はオール3だから、真ん中(偏差値50)くらい」だと思ったら大間違いなので注意しましょう。
高校受験で偏差値を知りたかったら模試の受検を!
最後に、我が子の実力(偏差値)を知りたかったら、学習塾や予備校の模擬試験(模試)を受けるのがベストです。春、夏、冬と、年に数回は実施される模擬試験(愛知県なら愛知全県模試といった具合に、都道府県単位でやっているところもあります)。高校受験用の模試でも、偏差値だけでなく志望校の合否判定もわかります。塾に通っていない一般の方も受検できるので、これを期に、一度受けてみてはいかがでしょうか。
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