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中学校の通知表・成績表!成績・評価の付け方や内申点の上げ方とは

中学校の通知表・成績表。テストで90点をとったのに評定は「5」じゃなかった……そんな疑問を感じる保護者の方も多いはず。内申点は高校受験ではとても重要。通知表の成績・評価のつけ方は? 所見・コメントはどう読むの? 内申アップの対策とともに解説します。

伊藤 敏雄

執筆者:伊藤 敏雄

学習・受験ガイド

中学校の通知表・成績表のつけ方、評定・内申点を上げるポイント

中学生の通知表・成績表 成績の付け方は?

テストで90点をとったのに評定は「5」じゃなかった!中学校通知表の成績評価の付け方ってどうなってるの?

「テストで90点をとったのに、通知表の評定は『3』のままだった……」
「絶対評価では、90点以上だったら『5』じゃないの?」

このように、中学生や保護者の方から通知表について質問を受けることがあります。受験を考えると少しでも上げておきたい通知表の評定。今回は、気になる通知表のつけ方と、評定を上げるポイントについてもお答えします(2021年度からは、学習指導要領の改定にともない通知表のつけ方も変わります)。

【目次】  

通知表・内申点のつけ方、いったい何が基準なの?

まず、通知表の「3」や「4」などの評定の横にある、A~Cの評価を見てみましょう(学校によっては◎、○、無印となっていたりします)。これを観点別評価と言います。通知表の「3」や「4」などの評定は、この観点別評価の組み合わせによって決まっているのです。
中学校の通知表・成績表は「3」や「4」といった評定の横にあるA~Cで評価されている観点別評価、この組み合わせが成績の付け方のポイント。

中学校の通知表の成績は、「3」や「4」といった評定の横にあるA~Cで評価されている観点別評価、この組み合わせがポイント。

例えば、通知表の中の社会科の成績なら「関心」「思考」「表現」「知識」の4つの観点について、「絶対評価」で評価されています。観点別評価は、「関心」のような授業中の挙手の回数や調べ学習での取り組みから、「知識」のようなテストの点数まで、それぞれA~Cの3段階で成績をつけます。そして、これらの組み合わせで次のように通知表の評定が決まっているのです(観点は教科によって異なります)。
 
  • 通知表の評定の決まり方の例
4つの観点の評価の組み合わせ(順不同)→通知表の評定
・AAAA、AAAB→「
・AAAC、AABB→「
・ABBB、BBBB、BBBC→「
・BBCC、ACCC→「
・BCCC、CCCC→「
※同じ評価の組み合わせでも、学校や教科によって評定は異なります。
 

通知表の成績を上げ内申アップの秘訣に迫る!

このように通知表の評定が決まるため、テストの点数が90点(=A評価)で良かったとしても、関心などのその他の観点が普通(=B評価)だった場合、4つの観点の評価の組み合わせは「BBBA」となり、通知表の評定は「5」ではなく「3」になってしまうのです。つまり、単純にテストの点数だけで通知表の評定が決まっているわけではないのです。

社会科の場合、通知表の評定は「関心」「思考」「表現」「知識」の4つの観点がもとになっています。国語の場合は観点が5つだったり、英語は「話す・書く」「聞く・読む」などの観点があったりと、教科によってまちまちですが、どの教科も基本的には次に示した通りです。
 

通知表・成績表の社会科の観点で評価される内容の主な例

関心・意欲・態度:授業態度、提出物、時事問題への関心
思考・判断:調べ学習への取り組み、テスト(理由を問う問題)
表現・処理:ノートのまとめ方、テスト(資料を読み取る問題)
知識・理解:小テストやテスト(知識を問う問題)
  • 関心・意欲・態度
通知表の社会の観点「関心・意欲・態度」では、授業態度や時事問題への関心などが評価されます。授業中に積極的に発言したり、時事問題へ関心をもったりすることが大切。時事問題は、普段から新聞を読んでいればそれで問題なし。プリントや問題集など、提出物の提出状況も通知表評価の対象になります。提出物は、しっかりやって期日までに提出しましょう。
  • 思考・判断
通知表の社会の観点「思考・判断」では、調べ学習への取り組みなどが評価されます。テストではいわゆる記述問題という形で出題される問題が多く、気になることは「なぜ?」「どうして?」に対し、「~だから」といった理由や根拠も説明できるようにしておきましょう。
  • 表現・処理
通知表の社会の観点「表現・処理」では、ノートのまとめ方や資料を読み取る問題で評価されます。特にノートのまとめ方は、ただ黒板に書かれたことを写すだけでなく、ポイントになるところは色を使ったり図や表にまとめたりするなど、見やすくわかりやすくまとめることが成績アップにつながります。
  • 知識・理解
通知表の社会の観点「知識・理解」では、主に小テストや定期テストで評価されます。しかし、テストでは知識・理解だけが問われるわけではなく、各観点から出題されるので注意が必要です。テストの問題用紙や解答用紙をよく見てみると「知識・理解」や「思考・判断」など、どの観点の問題かが書いてあることがあります。それぞれ、どの観点についてどんな問題が出題されているのかもチェックして対策を取りましょう。

社会科に限らず通知表の成績評価で大切なことは、授業への取り組み、ノートのまとめ方、提出物の提出状況などです。テストの点数も大切ですが、テスト以外のことも大切です。内申アップの秘訣はここにあるのです。
 

中学の通知表・成績表の所見欄(コメント)で気になることがあったら

最後に、通知表の成績のつけ方は、学校の先生でも一苦労するほど手続きが複雑。ですから、一般の方にはなかなかその仕組みが伝わっていません。学校では「絶対評価」の成績のつけ方について詳しく説明した資料を配布したりしていますが、それでもわかりにくいのが実情。

また、今は所見欄には良いことしか書かないことになっています。こちらは保護者会の時に、ずばり「うちの子どんなところに気をつけたらよいか」をたずねてみると良いでしょう。

通知表の成績は、受験の合否に関わるとても重要なもの。ほかにも何か疑問な点があったら、学校の先生に遠慮なくたずねてみましょう。

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