「たくさん」を表す英語といえば、たいていの場合、manyやmuchを使うのではないでしょうか。「多く」を表す日本語が「かなりの」「おびただしい」「五万と」と幾通りもあるように、英語でも同様の意味の表現はa lot of ~、a number of ~、thousands of ~など実に豊富です。今回は、上記の表現に加え、多すぎて「ありふれている」という意味でよく使われる「たくさん」について触れてみたいと思います。
『ビー・クール/Be Cool』。 |
You wanna go? After all I did for you?
あんなに世話してやったのに行くっていうのか
Fine. But let me tell you something, sweetheart.
いいだろう でも覚えておくんだな
You're a dime a dozen.
お前みたいな女は五万といるんだ
There are dozens of girls who are dying to take your place.
何がなんでもスターの座を奪ってやろうってヤツがいるってことを忘れるな
Dimeは10セントコイン、日本の硬貨では10円玉に値する小銭です。dozenはダースのことで、こちらも同じものがいくつも並んである、というニュアンス。2つ合わせて「五万と」「星の数ほど」=「ありふれている」という意味になります。
Be dying to~は文字通り「死ぬほど~したい」という必死の思いを表します。人気リアリティーTVショー『アメリカン・アイドル』でも見られるように、アメリカン・ショービズ界は厳しく辛辣な世界。その他大勢のa dime a dozenではなく、the one(ただ一人)になるため、彼らは不屈の精神で日々努力を重ねています。