映画の都ハリウッドが最も活気づく映画賞授賞式シーズン。アカデミー賞の前哨戦と名高いゴールデン・グローブ賞の授賞式が2006年1月16日、ビバリーヒルズのヒルトンホテルで開催されました。
ゴールデン・グローブ賞は、ハリウッド外国人映画記者協会(Hollywood Foreign Press Association / HFPA)の会員によって選定される映画賞。今年ノミネートされたのはSF技術を駆使した超大作よりも、社会問題やヒューマンドラマを描いたメッセージ性の強い作品が目立つ結果となりました。
受賞者たちの感動のスピーチ
作品賞、俳優賞、監督賞……。様々な部門で栄誉を称えられた受賞者たちは、壇上で感謝と喜びのスピーチを行います。それぞれが映画製作中のエピソードを語る中、特に印象深いスピーチを行った受賞者の言葉をいくつかご紹介します。助演男優賞を受賞したジョージ・クルーニー。© HFPA / 63rd Golden Globe Awards |
It's a privilege to be here. -George Clooney
「ここにいることができて光栄です」-ジョージ・クルーニー
(『シリアナ』)で助演男優賞受賞)
助演女優賞を受賞したレイチェル・ワイズ。© HFPA / 63rd Golden Globe Awards |
Goodness, so many people to thank! -Rachel Weisz
「あらまぁ、本当にたくさんの人に感謝しなくては(感謝しなくてはならない人がたくさんいるわ)!」 -レイチェル・ワイズ
(『コンスタント・ガーディナー』で助演女優賞受賞)
TV部門助演女優賞を受賞したサンドラ・オー。© HFPA / 63rd Golden Globe Awards |
I feel like someone set me on fire! -Sandra Oh
「誰かに火をつけられたような気分です!」 -サンドラ・オー
(『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』でTV部門助演女優賞受賞)
ユニークなスピーチで会場を沸かす受賞者たち
思い思いの謝辞を述べる受賞者たちですが、中には一風変わったスピーチで会場を笑いに包むサービス精神旺盛の受賞者も。特に大きな笑いを誘ったのは、『コマンダー・イン・チーフ』で米国初の女性大統領役を演じ、TVドラマ部門主演女優賞を受賞したジーナ・デイビス。スピーチを始める前、彼女は実に微笑ましいハプニングエピソードを壇上で語り始めました。TVドラマ部門で主演女優賞を受賞したジーナ・デイビス(Geena Davis)。© HFPA / 63rd Golden Globe Awards |
「ここに来る途中、何かにスカートを引っ張られた感じがして。見てみると8歳か10歳くらいの小さな女の子だったんです。初めてのパーティードレスを身にまとい、私にこう言うんです、『いつか、あなたのような大統領になりたい』って……」
そこで会場からため息まじりの感動の声が漏れたとき、彼女が付け足した言葉は……
That didn't actually happen….but it could have.
「嘘ですけどね。……ありえないこともないでしょう?」
先走った妄想を交えたスピーチで会場の緊張をほぐし、大きな笑いをつかんだデイビスでしたが、彼女に負けず劣らずの痛快なスピーチを展開したのは『ハウス』でTVドラマ部門主演男優賞を受賞したヒュー・ローリー。「お礼を言いたい人をリストにしたら、172人もいたんです」とまずはつかみの言葉をつぶやき、こう続けました。
TVドラマ部門で主演男優賞を受賞したヒュー・ローリー(Hugh Laurie)。© HFPA / 63rd Golden Globe Awards |
「だから、172人の名前を小さな紙切れに一つずつ書いたんです。それをズボンのポケットに入れて、左手で握ってるんですが、今適当に3つ選んで読み上げますね」
言うなりポケットを探り、本当にランダムに選んで淡々と名前を読むローリー。大真面目を装う冷静な姿に、ますます会場は大きな笑い声を響かせていました。
第63回ゴールデン・グローブ賞 全受賞者リストはこちら。
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