家事/エコ家事の方法

米のとぎ汁を流しに流さない! 再利用して節水するエコ

工業排水などの処理設備がレベルアップし、一番環境に負荷をかけているのは家庭用排水だとか。とぎ汁が悪影響を及ぼしていると聞くと何だか怖い。ただの排水にしないために米のとぎ汁を流しに流さないで、再利用してエコしてみませんか?

執筆者:立石 絹子

米のとぎ汁を流しに流さない再利用方法

米のとぎ汁を流しに流さない再利用方法

米のとぎ汁を流しに流さない再利用方法

大根の葉と、桜海老の菜めし。大所帯で1日最大8合とぐガイド宅では、とぎ汁問題は難問です。
新米が美味しい季節になりました。普段は面倒がって(!)無洗米を使っているガイド宅ですが、新米をたくさんの方が送ってくださいました!新米はホクホクして甘くて本当に美味しいですよね!

新米の季節は特に、お米自体が美味しいためにゴハンが進んでしまい、1日に何回もお米をとぐこともありますよね。お米をといでいて、一番に気になるのは「環境汚染をしているんじゃないか」ということ…。
   

米のとぎ汁は環境汚染の原因⁉

これには色々な説があって、どれが本当なのかとてもわかりにくい問題です。

濃い米のとぎ汁を2リットル流したとき、魚が住めるような水にするためには、浴槽4杯分の水で薄める必要がある、という話を聞いたことありませんか?

なぜ浴槽4杯もの水で薄める必要があるのかというと、米のとぎ汁にはリンや窒素などの栄養分がたくさん含まれているので、その栄養をエサにする微生物が大量発生し、アオコや赤潮などという現象が起き、海がヘドロで汚されるという説です。

ですが、それは海や川に直接流した時の例であって、下水処理場の浄化設備が整っている現在では、そのまま垂れ流されるわけではなく、大体の部分は水と炭酸ガスに分解されているので、それほどの害はないとする説もあります。

とにかくどちらにしても、真っ白な色の付いた、少々ドロッとした液体をそのまま排水に流してしまう。それだけでも何となく申し訳ないような気分になるのはガイドだけでしょうか?

無洗米はイマイチ好きになれない、とか、無洗米じゃない米をもらってとがなければならない、とか、色々好みや状況によって、お米のとぎ汁を排水にそのまま流してしまっている現状を、少し考えてみてもいいんじゃないかな?なんて思うのです。
 

じゃあとぎ汁を一体どうしろっていうの!?

 
一般的なところでは、庭や植木に撒いてしまおう、という試みがありますが、これもまた諸説ある問題。

日々排出されるとぎ汁を、毎日毎晩植木にあげてみると、土が日に日に固くなってきて、根が固まり、とぎ汁の栄養分に害虫や菌が寄って来て根を腐らせてしまうという説もあり、ガイド宅でも実際にとぎ汁をあげていた植木の土はカチカチになってしまいましたが、ただガイドがガーデニング下手だというだけのことかもしれません!!

ガイドは米のとぎ汁を「植木にあげず」「そのまま排水溝に流さない」方法を模索し、ではとにかくエコに近いこと「節水ワザのひとつとして使ってみる」という道にたどり着きました。
 

米のとぎ汁で節水してみようという試み

5合の米のとぎ汁1回分でこの量。ボウルにいっぱいです。3回研いだら単純に3倍!
実際に、「世に言われる、美味しくお米が炊けるとぎ方(1回目はすぐに捨て、2回目は揉みしだき、3回目で色を見てとぎ汁が濃いようなら捨てる)」をした場合、2リットルくらいの真っ白なとぎ汁が出ます。

とぎ汁は、大根の下茹でや、ゴボウなどのアク抜きに使うことも出来ますが、この場合、1回目のとぎ汁はホコリ等が多く付いているため、2回目からのとぎ汁を使うのが常識なのだそうです。

大根やゴボウを毎日煮るということもないでしょうし、1回目のとぎ汁を捨てるのは「節水」という目的に反するので、1回目のとぎ汁から、大きな鍋やバケツなどに汲み、食用以外の目的で、使うことにします。

例えば「お風呂を洗う」等の1つの目的のためだけに全て使い切ってしまうのはもったいないので、家事の流れの中でいくつもの目的で使うことにしました。
 

調理中の手を洗う水に再利用

 
まず、大きめなタライやバケツなどに、とぎ汁を汲み取っておき、料理の下準備をする時に横に置いておきます。

調理中、あまり意識しないかもしれませんが、魚を切っては手をゆすぎ、粉をつけては手をゆすぎ、と、水道の蛇口から水を出して手を洗ってはいませんか?ガイドはふと気が付くと、調理中にしょっちゅう水道の水で手を洗っていました。なのでタオルはいつもビショビショ、エプロンもビショビショ、冬場などは手がアカギレることもあります。結構水を使っているのですね。

とぎ汁はヌカを多く含むため、米ぬか洗顔といって米ぬかで顔を洗ったりする美容法があり、中にはとぎ汁で顔や髪を洗う美容法をしている方もいます。洗剤がなかった頃の方々は、お米のとぎ汁で赤ちゃんを洗ったり、髪や身体を洗ったりしていたそうで、米ぬかには洗浄効果があるということの証明になっています。

ですから、いちいち蛇口から水を出して手を洗うのはやめて、汲んでおいたとぎ汁を使って、調理中に手が汚れたらタライのとぎ汁で手を洗うようにします。ヌカの洗浄効果を信じて、なるべく石けんもつけません。

これを始めてから、心なしか手がすべすべするようになりました。米ぬかには潤い成分もあるそうですから、そのせいかもしれません。
 

食器のつけおき荒いに利用

 
調理が終わり、食事が終わったら、油っぽいお皿はウエス等で拭って、ひどい汚れのものは一緒に入れないようにし、その他の食器類は、タライのとぎ汁の中につけ置きします。

しばらくしたらとぎ汁の中でアクリルタワシやスポンジを使って食器類の汚れを落としていきます。なるべく洗剤も使いません。

最後に、別のタライの中に真水を入れながら、溜めすすぎでゆすいで、おしまいです。別のタライを置く場所がなかったら、水道の水をチョロチョロ出して少量の水でゆすぎます。とぎ汁はまだ捨てず、まずは布きんを予洗いし、おおかた汚れが落ちたら真水でよくすすぎます。ぞうきんも洗ってしまいましょう。
 
 
とぎ汁はかなり汚れているはずですが、まだまだ!とぎ汁をつけたアクリルタワシやスポンジ(シンク用の別のものを用意)で、シンクの中を擦り、排水溝の掃除もしてしまいましょう。

これで、とぎ汁の役割はおしまい。こんなに活用したのですから、そのまま流すよりもよっぽど環境のためになっているはずです。
 

別のとぎ汁で家中掃除してしまおう

 
米ぬかには、ワックス成分もありますので、とぎ汁に浸して絞ったぞうきんで、フローリングを拭けば、洗浄効果とワックス効果で、床がツヤツヤのピカピカになります。
 
まずは床ふき完了。
 
次にお風呂掃除。何かカップのようなものでとぎ汁をすくい、浴槽の中に少量ずつ流しながら、アクリルタワシかスポンジで擦っていきます。

米ぬかは、洗顔や洗髪に使われていた経緯でわかるように、人間の皮脂などの汚れに強いのだと思われますので、浴槽についた垢も、とてもきれいになりますよ。

最後に、トイレ掃除。トイレ専用のぞうきんなどがあれば、とぎ汁に浸して絞り、床等を拭き、残ったとぎ汁は、トイレの便器の中に回しかけ、トイレブラシで擦っておしまいです。

ただの排水になるはずだった米のとぎ汁も、ここまで再利用し、活用すればナチュラルクリーニングのアイテムにもなるし、節水にも一役買いますよね。

とぎ汁だけではなく、野菜の茹で汁や、真水でも同じように、タライやバケツに汲んでおき、再利用したいものです。

ぜひあなたも「意味のない排水」を少なくし、お財布にも環境にも優しいエコ生活を体験してみてくださいね!

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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