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首里城・現代に甦る琉球王国の王宮/沖縄

15世紀頃から沖縄本島を中心に支配していた琉球王国は、独自の文化を持ち、様々な史跡を残しました。今回は戦争中に焼失したものの、多くの人々の願いで平成になって甦った琉球王国の宮殿、首里城を紹介します。

村田 博之

執筆者:村田 博之

名所・旧跡ガイド

琉球王国の文化と歴史を今に伝える首里城へ

日本国内を旅していると各地で城や城跡に出会います。国内で城というとお濠と石垣があって、場所によっては天守閣がそびえているというイメージが強いですね。

しかし沖縄にある城は、琉球王国の手により作られたもので色彩やたたずまいなど、いずれを取ってみても鹿児島以北の城とは全く異なる雰囲気を持ち合わせています。

今回は沖縄にある城の中でも特に知名度が高い首里城をご紹介しましょう。那覇市内の高台に位置する首里城は、琉球王国の文化と歴史を今に伝えるとても貴重な場所なのです。

<目次>
  1. 琉球王国の宮殿だった首里城
  2. 様々な形の門をくぐって、首里城正殿を目指す
  3. 圧倒的な存在感を示す首里城正殿
  4. 実は世界遺産は首里城の中にはなく、周囲にあり
  5. 首里城へのアクセス


 

琉球王国の宮殿だった首里城

首里城(1)/正殿

現代に甦った琉球王国の宮殿、首里城の正殿(2009年1月撮影)

首里城は、沖縄県の県庁所在地、那覇(なは)の丘陵地に作られた琉球王国の城です。

琉球王国は、沖縄本島や奄美諸島、八重山諸島を15世紀頃から支配していた国です。地理的関係から中国と長い間深い交流がありましたが、江戸時代における薩摩藩の琉球出兵を受けた後は、薩摩藩とも関係を持つ形で国としての文化を維持します。その後、明治時代を迎え沖縄県が誕生したことで琉球王国は終焉を迎えました。

首里城(Yahoo! 地図情報)は、琉球王国の宮殿として城壁や門、正殿などが作られましたが、最初に作られた時期についてははっきりとわかっていません。明治時代に沖縄県が誕生した後も、首里城は軍営や学校として利用される形で残りましたが、第二次世界大戦における沖縄への砲撃で焼失してしまいました。

首里城(2)/守礼門

観光客にもおなじみの首里城・守礼門(2009年1月撮影)

その後、1958年に守礼門が再建されたのを手始めとして、長い年月をかけて首里城の復元が行われます。昭和から平成に変わっても復元作業は続けられ、1992年に正殿や複数の門など主要な建物の復元が完了したことを機に首里城公園としてオープン。以来、琉球王国の文化と歴史を肌に感じられる場所の一つとして、たくさんの観光客が日々訪れています。


 

様々な形の門をくぐって、首里城正殿を目指す

それでは、首里城の中へ入っていきましょう。
首里城(3)/歓会門

首里城の城壁の中に入る最初の門、歓会門。
ここから先が首里城の城内です(2005年2月撮影)

記念撮影スポットの定番としても知られる守礼門をくぐり、歩いていくと正面に首里城の城壁と門が見えます。この門は歓会門(かんかいもん)。

首里城(4)/瑞泉門から漏刻門へ

歓会門をくぐると右手に瑞泉門へ上がる石段が見えます。
中央に見える門は漏刻門(2005年2月撮影)

歓会門をくぐると、内側の城壁と共に右手に上る石段と朱塗りの門が現れます。突然広がった視界とあわせて、首里城で強く印象に残る場所の一つです。

琉球王国は長い間中国と親交が深かったこともあり、首里城には随所に中国の文化が影響を及ぼしています。それ故に鹿児島以北の日本の城とは一線を画した独特の雰囲気を持っている訳ですね。
 
首里城(5)/瑞泉門~漏刻門~広福門

歓会門をくぐった後に続く朱塗りの門の数々。
これらをくぐって正殿へ向かいます(2005年2月,2009年1月撮影)

正殿へ行くには、右手の石段を登ります。石段の上にある門は瑞泉門(ずいせんもん)。この後も漏刻門(ろうこくもん)、広福門(こうふくもん)と朱塗りの門が続きます。

漏刻門をくぐった所でやっと正殿の建物の位置がわかります。いかに首里城が大きいかを実感することができますね。正殿に入る奉神門から先は有料区域のため、広福門で入館券を購入します。


広福門をくぐり、いよいよ首里城正殿に向かいます。そこには訪れた人を圧倒する迫力のある風景が待っていますよ。次ページへ続きます。
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