梅の名所は各地に点在していますが、その中でも関東地方には「関東三大梅林」と呼ばれる場所があり、その名のとおりたくさんの白梅や紅梅が一斉に花を咲かせる風景を楽しみに大勢の人たちが集まります。
今回は、「関東三大梅林」の中から、埼玉県の越生町にある越生梅林をご紹介しましょう。意外な歴史上の人物との縁を持ち、広大な敷地の中に咲き誇る梅の花をゆっくりと見て回ることができますよ。
村の名前にもなった歴史ある梅林
越生梅林。2ヘクタールにもわたる敷地の中にたくさんの梅の花が咲きます(2001年3月19日撮影) |
越生梅林の梅は、菅原道真公との縁を持つ梅です(2001年3月19日撮影) |
ちなみに1955年(昭和30年)に越生町に編入されるまでの66年間、越生梅林の周辺は梅園村(うめそのむら)という名前の村でした。まさに梅林あっての村の名前ですね。
なお「関東三大梅林」には諸説があり、この越生梅林と青梅・吉野梅林(東京都)、小田原・曽我梅林(神奈川県)、安中・秋間梅林(群馬県)、水戸・偕楽園(茨城県)の中の2つを組み合わせて三大梅林と呼んでいます。いずれも素敵な梅の名所ではあります。
この越生梅林の梅ですが、天神さまとして人々に親しまれている菅原道真(すがわらのみちざね)公に由来がありました。
梅林とは越辺川(おっぺがわ)と県道を挟んだ向かい側にある梅園神社に九州の太宰府(だざいふ)天満宮から分祀を受けます。この時、太宰府天満宮に奉られている菅原道真公にちなんで梅を植えたことがきっかけとなり、大きな梅林が形成されるに至りました。
全国各所に散らばる天満宮以外にも天神さまの梅の縁があるというのが、不思議に思えてきます。
広大な敷地を梅の花が埋め尽くします
約2ヘクタールの敷地の中に1000本もの多種多彩な梅が咲き誇ります(2001年3月19日撮影) |
毎年2月中旬から3月下旬にかけては「越生梅林 梅まつり」が行われ、梅の花見と共に様々なイベントが催され、訪れる人々を楽しませてくれます。
梅の開花状況は、「越生梅林 梅まつり」のWebサイトにも随時掲載されていますので、出かける前に確認すると良いでしょう。
梅の花の下をミニSLが走る!
梅林の中を走るミニSL(2001年3月19日撮影) |
このミニSLは越生梅林の最寄り駅、越生駅を通る国鉄(現在のJR)八高線で走っていた蒸気機関車9600形の10分の1の模型。でも本物と同じく石炭を焚いて走ります。
全長253メートルの線路をミニSLで一周しながら、梅を眺めるという楽しい光景も見られますよ。
さて、越生梅林のご紹介、いかがでしたか?2008年の梅の開花状況ですが、2月22日現在で1分咲きから3分咲きですので、これから花見が楽しめる状態です。「越生梅林 梅まつり」は3月20日まで開催されていますので、次の休日にでも梅の花見を楽しみに越生まで出かけてみて下さい。
越生梅林へのアプローチ
越生梅林へは、JR八高線と東武越生線が乗り入れる越生駅からバスに乗ります。 |
JR八高線・東武越生線 越生駅から、川越観光バス 黒山行きに乗車し、梅林入口バス停下車。
都内から越生まで行くには、3つのルートがあります。
(1)新宿からJR中央線で八王子へ、JR八高線に乗り換え、高麗川で高崎行きディーゼルカーに再度乗り換え。
(2)新宿・池袋からJR埼京線で川越へ、JR川越線に乗り換え、高麗川でJR八高線 高崎行きディーゼルカーに再度乗り換え。
(3)池袋から東武東上線で坂戸へ、東武越生線に乗り換え。
関越自動車道 鶴ヶ島インターチェンジまたは圏央道 圏央鶴ヶ島インターチェンジより、県道経由で越生へ。
梅林周辺に駐車場があります。
【関連サイト】
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