世界も認めた名所、日本三景の1つ宮島・嚴島神社
日本国内の名所・旧跡の中でも抜群の知名度を持っているのが、日本三景と呼ばれる名所、松島(宮城県)、天橋立(あまのはしだて、京都府)、宮島(広島県)。江戸時代からその名が知られており、現代に至ってもその魅力にひかれて、たくさんの観光客が足を運んでいます。そんな日本三景の中から、今回は安芸の宮島をご紹介します。海に浮かぶ嚴島神社の赤い鳥居に代表される寺社建築とその眺めは、世界も認めた名所でもあるんですよ。
全国でも珍しい海にせり出した社殿
日本三景では唯一の世界遺産
嚴島神社は、1996年に世界文化遺産として認定を受けました。日本三景の中では唯一宮島だけです。宮島へ来るすべての船が発着する宮島桟橋の正面にある広場を見渡すと、海沿いに宮島が世界遺産であることを説明した世界文化遺産記念碑があります。 この石碑の上部には丸い穴が開いた菱形の石が着けられているのですが、この石は見る角度によって、穴の向こうに嚴島神社の大鳥居を見通すことができるようになっています。
宮島を訪れた時は、どこから見ると大鳥居を穴の中に入れることができるのか、探してみるのも楽しいでしょう。
神様の使者となる鹿
宮島にはたくさんの鹿がいて、嚴島神社の神様の遣いとして大切に保護されています。 鹿が神様の使者として扱われるのは奈良と同じなのですが、宮島の鹿に対しては地元の自治体から餌やりをしないように啓発されています。 宮島を歩いているとどこでても鹿を見かけますが、神様の使者とは言っても相手は野生の動物です。不用意に近づくとケガをすることもありますので、注意しましょう。宮島へ渡るフェリーの楽しみ方
宮島へ渡るには、対岸にある宮島口旅客ターミナルからJR西日本宮島フェリーか宮島松大汽船のどちらかに乗るのが一般的なルートです。 宮島口から宮島までは約10分の航海。JR西日本宮島フェリー、宮島松大汽船ともに運賃は同じですが、宮島へ向かう便のみ通るコースが異なります。 宮島松大汽船がまっすぐ宮島桟橋へ向かうのに対して、JR西日本宮島フェリーは日中の便のみ「大鳥居便」として嚴島神社の大鳥居の沖合を大回りするコースを取ります。海上から嚴島神社の大鳥居を間近に見てみたいという方は、日中のJR西日本宮島フェリーに乗ると良いですね。この他にも広島・宇品港や平和公園前から宮島へ直行する高速船などのバリエーションがありますので、旅のプランにあわせて選びましょう。
潮の満ち引きを事前に調べておきましょう
嚴島神社は、日本国内でも珍しい海上にせり出した神社。なので、潮の満ち引きという自然現象が重なると風景そのものが一変してしまいます。宮島観光協会のWebサイトでは宮島周辺の年間潮汐表が掲示されていますので、日にちごとの満潮と干潮の時間、そして潮の満ち引きの大きさを調べることが可能です。
海に浮かぶ大鳥居の姿を見たい時は満潮の時間、また大鳥居を間近で見てみたい時は干潮の時間にあわせて訪れるようにするなどの行動計画を立てる際に活用してみて下さい。
満潮時の大鳥居に海上から近づくことができる「ろかい舟」
嚴島神社の大鳥居は、潮が引くと真下まで歩いて近づけますが、潮が満ちてきた時は海岸や嚴島神社の境内から遠目に見る形となります。こんな時、日中の満潮時限定で運航する「ろかい舟」に乗ると海上から大鳥居に接近することができます。
「ろかい舟」は嚴島神社の参道にある石の大鳥居近くの海岸から出航。船頭さんが櫓(ろ)を漕いで人力だけで大鳥居の周囲まで航行してくれます。
波が穏やかな時はろかい舟が大鳥居の下をくぐる「海からの参拝」ができることもあります。
夜の大鳥居にも船で近づけます
満潮の日中時に大鳥居へ海上から接近できる「ろかい舟」を紹介しましたが、実は夜の大鳥居にも海上から接近する方法があるのをご存知でしょうか。
その方法とは宮島参拝遊覧船「第三御笠丸」への乗船。夜だけの運行で、宮島桟橋から出航して海側から嚴島神社の大鳥居を間近で眺めることができます。こちらはエンジン付きの船で、潮が満ちていて波が穏やかな時は大鳥居をくぐる「海からの参拝」ができることもあります。 大鳥居の海側と嚴島神社側に掲げられた神社名の違いなども教えて頂けますし、何よりも海に浮かんだ大鳥居を海上のいろいろな角度から望めるのは素敵な旅の記憶になりますね。
なお宮島参拝遊覧船に乗船する場合、乗船前日までの事前予約が必要です。宮島口に戻るJR西日本宮島フェリーが20時以降も22時過ぎまで約40分間隔で運航していますので、遅い時間にはなりますが、宮島に泊まらずとも遊覧船乗船後に広島まで移動することも可能です。
宮島は桜や紅葉の名所
宮島の中には、春になると桜が咲き、秋になると紅葉が楽しめる場所があります。
桜の見頃は例年4月上旬、紅葉の見頃は例年11月上旬から中旬にかけて。この時期に宮島へ来ることがあれば、嚴島神社への参拝を終えた後に桜や紅葉をあわせて楽しむのもいいでしょう。
おいしいものも盛りだくさん
宮島には、おいしいものも色々そろっています。代表的なものは「あなごめし」。宮島周辺で獲れたあなごを蒲焼きにして、ご飯の上にのせたものです。他には「かき」も有名ですね。 今では広島のお土産の代名詞にもなっている「もみじまんじゅう」は、ここ宮島が発祥の地。カステラ生地+こしあんという組み合わせが中心ですが、最近は変わり種も色々出ています。 宮島の島内にも何軒か「もみじまんじゅう」を取り扱うお店がありますので、嚴島神社に参拝した後で食べ比べしてみるのも楽しいですね。日本三景と世界文化遺産を兼ね備える宮島・嚴島神社のご紹介、いかがでしたか?訪れる都度、違う表情を見せてくれる宮島へぜひ足を伸ばしてみて下さい。
宮島・嚴島神社へのアクセス
地図:Googleマップアクセス:
※2023年10月から、宮島を観光で訪れる方に対して宮島訪問税(100円/1回)がかかるようになりました。宮島へ向かう船の運賃に加算する形で徴収されます。
<飛行機>
広島空港より広島駅新幹線口行きのリムジンバスに乗車し、広島駅よりJR山陽線で宮島口駅へ。JR西日本宮島フェリーか宮島松大汽船で宮島へ渡る。
または白市駅行きの芸陽バス、西条駅行きのバス(芸陽バス、中国JRバス共同運行)に乗車して、JR山陽線を使うことも可能。
<鉄道> 山陽新幹線 広島駅より、JR山陽線で宮島口駅へ。 または広島駅より広島電鉄(路面電車)2系統 広電宮島口行きに乗車して、広電宮島口駅へ。ただしJR利用より所用時間がかかります。
※広島電鉄利用の場合、広島電鉄と宮島松大汽船がフリー乗車できる「一日乗車乗船券」の利用がお得です。 宮島口旅客ターミナルからは、JR西日本宮島フェリーか宮島松大汽船で宮島へ渡る。 この他に広島・宇品港から宮島港へ向かう瀬戸内シーライン(高速船)、平和公園から宮島へ向かうひろしま世界遺産航路(高速船)があります。
<高速バス>
・東京駅・横浜駅と広島駅を結ぶ高速バス「ドリーム岡山・広島」(中国JRバス運行)が、広島駅まで運行。
<車>
山陽道 廿日市インターチェンジより国道2号線で宮島口へ。宮島口旅客ターミナル周辺に駐車場あり。宮島口からはJR西日本宮島フェリーか宮島松大汽船に乗船。
広島空港からは、河内インターチェンジより山陽道へアクセスできます。
【関連記事】 【関連サイト】
- All About 世界遺産
- 宮島観光協会
- 嚴島神社
- JR西日本宮島フェリー
- 宮島松大汽船
- ろかい舟(宮島遊覧観光)
- 宮島参拝遊覧船(アクアネット広島)
- 日本三景