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荘厳なバロック建築の都ドレスデンを歩く(2ページ目)

豪華で重厚な建築物に囲まれて町を歩いていると、バロック時代に迷い込んでしまったような気になるドレスデン。歴史を感じながらじっくりと散策してみましょう。エルベ川流域の景観は世界遺産にも指定されています。

執筆者:カルカ 麻美

世界遺産「エルベ渓谷」

エルベ川
レジデンツ城の塔の上からエルベ川を眺める

ブリュールのテラス
エルベ川沿いの「ブリュールのテラス」はのんびりと歩くのが気持ちいい
ドレスデン市内を流れるエルベ川流域(約20Km)の景観が、2004年より世界遺産に登録されています。川沿いにはフラウエン教会やツヴィンガー宮殿など多くの歴史建築物が立ち並び、本当にバロック時代の町並みを見ているよう。豪華な建物のシルエットがとても美しいです。

ドレスデン
エルベ川の対岸からは、たくさんの塔が浮かび上がって見える
町の中心を少し離れると、緑豊かな川沿いの風景が広がります。エルベ川はクルーズをすることも可能。世界遺産の指定区間の終点「ピルニッツ城」へも、美しい景色をゆったりと眺めながら船で行くことができます。

※ただし、このエルベ渓谷は2006年より「危機遺産リスト」に登録されています。エルベ川に建設が計画されている新しい橋が景観を損なう、というのが理由。建設が実行されれば、6月に行われる世界遺産委員会において世界遺産リストから抹消される可能性も。ドレスデンでは、橋の建設反対派と賛成派の激しい議論が起こっています。



戦争、共産主義の面影を残すドレスデン

ドレスデン
ドレスデンの町では、突然旧東ドイツ時代の無機質な建物が現れたりする
バロックやルネサンスの美しい建築物が多いドレスデンですが、戦後は共産主義国となり、無機質な四角い建物がどんどん建てられました。中央駅から町の中心街へ行くには、まずプラーガー通りを通っていくのですが、ここに立つ旧東ドイツの味気ない建物群にはきっと驚いてしまうでしょう。

ツヴィンガー宮殿やゼンパーオペラを一生懸命再建しながら、一方ではこのような四角い箱を建てまくっていた旧東ドイツって一体何だったんだろう?と思わずにはいられません。素敵な雰囲気の町並みを歩いていて突然旧東ドイツの建物が現れると、せっかくの景観が台無しで何て残念なんだろう……と思いますが、東側の歴史を実感できる場面でもあります。

またトラムで町を走っていると、建物と建物の間が突然空き地になっている場所が多いことに気づきます。戦争で町のほとんどが焼かれてしまい、旧東ドイツ時代に復興しきれなかった部分が多くあるのだと思います。



バロック時代の栄光と、戦争の傷跡、そして共産主義の面影が一度に感じられるドレスデン。ドイツという国をより深く知ることのできる場所ではないでしょうか。ぜひ一度じっくりと旅をしてみてください。宮殿やオペラなどのスポットは、今後個別にご紹介していく予定です。どうぞお楽しみに!

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