17年の歳月をかけて建設された
石造りの強固なバロック教会
建設当時の「フラウエン教会」を描いたBernardo Bellotto(Canaletto)の絵画 |
戦争で崩れた教会の瓦礫の山は「戦争の傷跡」として長年残されていた 写真提供:Stiftung Frauenkirche Dresden (C)Jörg Schöner |
戦後45年でようやく再建へ
11年にわたる再建期間を経て完成したフラウエン教会 |
すでに崩壊直後から教会再建の声はありましたが、戦後共産主義国となった旧東ドイツの権力者にとって、「教会の再建」はそれほど重要なテーマではありませんでした。そのため再建を望む市民の思いはなかなか実を結びません。それどころか、戦争の傷跡として残されていた「瓦礫の山」が、完全除去されてしまいそうになる場面が何度もあったと言います。
東西ドイツが統一を果たした1990年、再建運動がようやく正式に世界に呼びかけられます。これは大きな反響を呼び、世界中の個人、企業、団体から資金が寄付されました。こうして再建工事が1994年に開始され、11年という長い歳月をかけてフラウエン教会は見事、元の美しい姿に甦ります。
再建工事はオリジナルに忠実に行われました。詳しくは次のページでご紹介します。イギリスから贈られた塔の十字架のエピソードも。