症状3:「一言多い、指導員妻」
ドライブでは、じっと事態を見守るのも妻の役目 |
車であるイベントを見に行ったところ、混雑を避けるため、街中への車の乗り入れが禁止されていた。目的地のはるか手前で「ここから先は通行できません」と迂回路にまわされてしまった。夫にとってももちろん初めての場所で、目的地への正しい道が見つからない。普段は自信たっぷりの夫もちょっとあせっているみたい。
「いつも私のことを馬鹿にするけど、あなたも迷ってるじゃない。」とちょっとからかって、普段のリベンジをしたつもりになったけど、イベントの始まる時間が迫っているので、助手席の私も気が気ではない。
「そっちは違うと思うんだけど」
「さっきもこの交差点通ったよね。覚えてない?」
「わたしが運転しようか?」
「ねぇ、さっきのところに戻って、誘導員に聞いた方がいいんじゃない?」
「その辺の歩いている人に聞こうか?あなたが話しかけにくいなら、私が降りて聞いて来ようか?」
夫を助けたくて、いろいろ提案しているのに、夫は返事もせずにますます不機嫌な表情に。どうして……?
▼処方箋
男性はプライドの高い生き物です。特に地図を読むことやドライブ技術に関しては、絶対に妻より自分の方が上手だと言う自信を持っています。ですから、「道に迷ってしまった」という時点で、かなりプライドが傷つき、頭の中では必死になってこの状況を解決しようとしています。ところがこの妻の場合、まず、「あなたもやっぱり迷ってるじゃない」と口にした時点で、傷ついただんな様の傷口に塩を塗りつけています。まぁ普段、からかわれている分のお返しなので、これぐらいの一言は目をつぶるとしても、そのあとがいけません。
「そっちは違う」とだんな様の判断に異論を唱えたり、「通ったのを覚えてないの?」とあざけったり、「運転を代わろうか」とあなたには任せられないと主張したり、夫の傷口にこれでもかと塩を重ねぬりしています。さらに「道を人に聞く」というのは男性にとって「降参」「敗北」を意味します。自分で聞くのも屈辱ですし、妻を聞かせに行くのも男性にとっては耐え難いこと。良かれと思って行った妻の発言が、ますますだんな様を追い込んでしまったわけです。
こんな時、妻としてベストの対応は口を挟まず、黙って座っていること。そして、「あなたならきっと解決できるわ」という信頼のこもった視線で、温かく見守ってあげることです。口を挟みたくても、グッと我慢。どうしても「あなたもやっぱり迷ったじゃない」と小さなリベンジを言いたければ、正しい道が見つかり、「よかったわ。すごいわ、さすがに方向感覚がいいわね。」と一通りほめたあとで、冗談っぽく笑顔で突っ込みましょう。
事態が解決できた後の、ゆとりのある心理状態ならば、だんな様も、苦笑しながら受け止めてくれると思います。
時には沈黙が夫を支える力になります。「ついつい、一言多くなってしまう」「相手を指導する調子になってしまう」という方は、グッと発言をこらえ、信頼のこもった目でだんな様を優しく見守ってあげてくださいね。